今回はモンステラを外に出すという話題の解説です。
最大の問題は光量
モンステラは熱帯の植物なので高温には割と強い(とはいえ猛暑日35℃以上とかだとまずいです)のですが、強い光量に弱いという特性があります。
当サイトではモンステラの光量について斑入り・斑なし双方で解説してきました。


特に夏の直射日光は10万ルクス程度になり、モンステラの限界光量は比較的強光に強い斑なしタイプでも上限3万クルス程度なので、明らかに過剰になり、結局葉焼けして元気が無くなるという結果になります。
今回はこの光量を起点にモンステラを屋外で育てるという場合の注意点などを解説していきます。
外に出せても直射日光は無理。屋外育成には工夫が必要
夏に直射日光が当たるともう完全にアウトなので、基本的に屋外に出せるのは春と秋の気温がそこそこ高くて(20℃くらいあればOKです)、直射日光が弱い季節に屋外に出すことになります。
ただし夏でも以下で解説するように適切な日陰を利用すればいけそうではあります。
なお無理して屋外に出さなくてもモンステラは屋内で普通に育成できるので、色々ごちゃごちゃ考えたくない場合は屋内でも十分育成できます。
とはいえ屋外だと元気に大きくなるというのはあるので、屋外に出すときの注意点を見ていきましょう。
春と秋の直射日光は何ルクスなのか
実際に測ったわけではないですが、以下の文献には太陽高度に対する照度が掲載されているので、それを元に考えます。
- 夏至(6月):太陽高度→76.4度
- 春分・秋分(3月・9月)→53度
- 冬至(12月)→29.6度
参考にする文献は以下の通りです。
参考1:比嘉 俊太郎, 渡辺 茂男, 林 二一, 内田 悦行, 太陽エネルギーの有効利用および傾斜機能材料への影響調査 : 昼光と日射の太陽高度による変動, 愛総研・研究報告
参考1の図1よりグラフを大まかに読み取るとグローバル照度は以下のようになります。
- 夏至(6月):太陽高度→76.4度→105klx
- 春分・秋分(3月・9月)→53度→90klx
- 冬至(12月)→29.6度→47klx
真夏の太陽光が10万ルクス(100000=100klx)というのとだいたい合ってますね。
ここから夏の太陽光は10万ルクス、春と秋の太陽光は9万ルクス、冬の太陽光は5万ルクスくらいと見積もれます。
モンステラの限界照度は3万ルクスくらいですから、冬の直射日光でさえ危ないですね。
木漏れ日と日陰でどのくらい光は減衰するのか
だいたい以下のような減衰率になります。
- 木漏れ日(明るい日陰):50%〜70%減衰
- 日陰:80%〜90%減衰
ここから季節ごとの直射日光を木漏れ日と日陰に場合分けしてどの程度の照度になるか算出すると以下となります。
まずは木漏れ日。60%減衰とします。
- 夏:4万ルクス
- 春・秋:3.6万ルクス
- 冬:2.0万ルクス
次が日陰。減衰率85%とします。
- 夏:1.5万ルクス
- 春・秋:1.35万ルクス
- 冬:0.75万ルクス(7500lx)
この結果から夏の明るい日陰はさらにもう少し暗い場所、それ以外なら明るい日陰ならなんとかいけそうとなりました。
そもそもモンステラの自生地は熱帯アメリカのジャングルです。大きな樹木の陰に生息している基本的に陰のある場所に育つ植物なので直射日光耐性はあんまりないわけですね。
屋外だと育つというのは例えば風が適度に吹くので蒸散が活発になってよく水を吸い、葉っぱ周りで適度に空気が入れ替わるのでCO2などの供給が途絶えず、光合成が活発になるから、とか、養分を多く吸収して育ちやすくなるとかそういう理由でしょう。
屋内でも適切にサーキュレーターで風を送る(葉っぱ1、2枚がゆらゆらたまに揺れるくらいが適切です)ようにすれば植物育成LEDライトで2万ルクスくらいの光を”まんべんなく”当てればだいたい同じような成長になると思います。
株が多いならサーキュレーターを。
株が小さいか少ないならUSBファンを。
まんべんなく当てる意味というのは、例えば一方向からだけ光を当て続けるとモンステラはそっちに曲がっていってしまうので、色々な方向から当ててあげる、またできれば散乱光も利用したいので、上からだけでなく、地面の反射光もある程度あるような環境にするとより良いということです。
なお冬は照度はクリアしますが気温15℃以上を保てないので、基本的に屋内に取り込んだほうがいいでしょう。
最低でも10℃ないと枯れるので、そのへんも考慮してください。
屋内の冬の管理については以下の記事で解説しています。


斑入りだとさらに湿度のシビアなコントロールが求められる
斑入りモンステラは斑の部分の気孔の開閉がうまくいかないことが多く、通常種のモンステラより多くの湿度が必要です。
斑入りモンステラに必要な湿度はだいたい55% 〜 65%必要です。
これ以上乾燥すると蒸散から身を守るために弱い斑の部分をリストラして枯らします。
このメカニズムは以下の記事で解説しています。

屋外で乾燥する日というのもそれなりにあります。
春の北日本や内陸部の春は日本付近を移動性高気圧が通過するためこのタイミングで50%以下になることがあります。
また夏場(6月〜9月)を除くほとんどの季節で、移動性高気圧や冬型の気圧配置によって晴れた日には、昼間の屋外湿度は容易に30%〜40%台まで低下します。
特に3月・4月・5月は、気温が上がるとともに空気中の飽和水蒸気量が増えるため、相対湿度がグッと下がりやすく、日中はカラカラに乾燥します(いわゆる「春の乾燥」)。
これを葉水で対策するのは基本的に無理です。葉水の湿度は30分くらいしか持続しないからです。
屋外で斑入りモンステラというのはかなり難易度が高いのですが、それでも屋外で育成するなら二重鉢にして隙間に水苔を常に湿らせて入れておくことで株周りの湿度が常に高くできるので、そういう方法もあります。
また他に観葉植物があるならそれで周りをガッチリ囲んであげると、他の植物の蒸散による湿度の上昇を利用できて多少安心です。
なお当然ながら斑の部分が強い光に非常に弱いので、より弱い光でじっくり育てないと斑がすぐ枯れるので注意しましょう。上で示した過去記事で解説しているので参考にしてみてください。だいたい5000lxくらいで維持する必要があります。
まとめ
今回はモンステラを外に出すという話題の解説でした。
屋外の直射日光は全季節を通して避けたほうが無難、屋外に出すなら冬以外の木漏れ日とか日陰に置くのが基本となります。

