今回はモンステラを冬に増やす方法を考えてみたいと思います。
モンステラを増やす方法と必要温度・湿度
モンステラを増やす方法は主に3つあります。
- トップカット
- ミドルカット
- ボトムカット
- 工夫として→高取り(こうどり / 空中取り木)
順にやり方を解説します。
トップカット
- 先端から1〜2枚の葉と、元気な気根が含まれる位置の「節の下」を清潔なハサミやカッターでカットします。
- 切り口を1〜2時間ほど乾かします(あるいは殺菌剤を塗る)。
- 水挿し、またはベラボンや軽石や水苔などを混ぜた清潔な土(水はけ重視)に植え付けて発根を待ちます。
根は節から出てきます。節が必ず含まれるように切り出します。
トップカットの場合は基本的に新芽は今あるトップ(先端)の成長点がそのまま伸び続けます。
ただ根は節から出てくるので節は必要です。必ず節が含まれるように切り出してください。
切り口は非常にデリケートなので、癒合剤(トップジンMペースト)で殺菌保護したほうが無難です。
培地には節だけを埋めるくらいを心がけ、気根はしっかり埋める、節と切り口は浅め(表面近く)、ぐらつきは支柱で止めるを守りましょう。
室温と湿度の目安は以下のようになります。
| 項目 | 目安 | 補足・理由 |
| 室温(温度) | 20℃ 〜 28℃ | 25℃前後がベスト。20℃を下回ると成長が鈍化し、15℃以下では発根が止まり腐りやすくなります。逆に30℃を超えると今度は菌が繁殖しやすくなります。 |
| 湿度(空気中) | 70% 〜 85% | 根がない(または少ない)状態では葉から水分が逃げやすいため、高湿度を保って葉の乾燥を防ぎます。ただし、100%近くで密閉し続けるとカビの原因になるため、1日数回は空気を動かす(またはわずかに通気口を開ける)のがコツです。 |
| 培地の水分 | しっとり(過湿NG) | 水苔の場合、握っても水が垂れない「しっとり」を維持します。 |
ミドルカット
要するに茎伏せです。
- 1節(1つの成長点と1本以上の気根)ごとに茎をブツ切りにします。
- 切り口をしっかり乾燥させます(腐敗防止のため非常に重要です)。できれば癒合剤を切り口に塗ります。
- 葉がある場合: そのまま水挿しするか、土に植えます。(いわゆるトップカット)
- 茎だけの場合(茎伏せ): 湿らせた水苔やベラボンの上に、気根を下に向けて「横向き」に置きます(茎を深く埋めすぎず、半分ほど露出させるのがコツです)。高湿度を保つと発根・発芽が促されます。

上の写真は茎伏せしているときの様子です。節の両端の切り口はトップジンMペーストで殺菌保護して湿らせたベラボンにポンと置きます。
置くときは根が出てきているならそれを下にして置きます。
ただこれはその後一ヶ月くらい様子を見ましたが、ようやく成長点が膨らんできたくらいです。
根も出たのでもうすぐ芽吹くと思うのですが、湿度をタッパーの蓋を閉めっぱなしで管理していたので常に100%でした。結果として癒合剤を塗っても節から黒く雑菌にやられてしまい、さらに短く切り詰めて応急処置しました。
タッパーの蓋も開けて湿度80%くらいで管理し始めたら持ち直した感じです。
タッパーの蓋は湿度100%近いといくら癒合剤を塗っても黒くやられるので蓋を開けて環境湿度が80%くらいで維持するくらいでいいと思います。
根が出てきたら根が出た部分だけ霧吹きで湿らせるくらいがいいと思います。
なお茎伏せの失敗要因などをまとめた以下の記事もご覧ください。

目標温度と湿度は以下となります。
| 項目 | 目安 | 理由と管理のコツ |
| 室温(温度) | 23℃ 〜 28℃ | トップカットよりも少し高めの温度(25℃付近)をキープすると、眠っている潜伏芽が「あ、春(夏)が来た!」と勘違いして、スイッチが入りやすくなります。20℃以下だと発芽までかなり時間がかかります。 |
| 湿度(空気中) | 80% 〜 90% | 超高湿度の維持が鍵です。葉がないため蒸散の心配はありませんが、茎自体が乾燥すると干からびて死んでしまいます。密閉容器(タッパーや衣装ケース、ジップロックなど)に湿らせた水苔と一緒に入れて、湿度をガッツリ高める「密閉管理」が非常に有効です。 |
| 注意点 | 週に2〜3回(毎日でも可)の換気 | 密閉状態はカビの大好物でもあるため、数日に一度はフタを開けて空気を入れ替えてください。毎日でもかまいません。 |
ボトムカット
先端や中間を切り取った後、元の鉢に残された「根付きの土台」のことです。
特徴はすでに立派な根が鉢の中に回っているため、エネルギーが豊富で、カット後の新芽の勢いが非常に強いのがメリットです。
- 土台の部分には必ず節が最低一個残るようにしておきます。
- トップやミドルを切り落とした後、残った株(根元)はそのまま元の鉢で管理します。
- カット直後は吸水力が落ちるため、少し水やりの頻度を落とし気味にします。
- しばらくすると、残った節の成長点からドカンと力強い新芽(潜伏芽)が吹き出してきます。
要するにトップカットとボトムカットで残った根付きの大きな節として最後の部分を有効利用する方法です。
葉っぱは無くていいです。根と節さえあればそこから新芽が出てきます。
ただ土台の切り口は土に近いこともあり雑菌の侵入でダメになりやすいです。癒合剤を塗って殺菌保護することを強く推奨します。
適切な温度と湿度は以下のようになります。
| 項目 | 目安 | 理由と管理のコツ |
| 室温(温度) | 20℃ 〜 28℃ | 基本的な育成適温で問題ありません。根が水を吸う力は生きているので、20℃以上あればじわじわと新芽が膨らんできます。 |
| 湿度(空気中) | 50% 〜 60% (通常の室内環境) | ボトムカットを過剰な高湿度環境(密閉など)に入れるのはNGです。切り口に癒合剤を塗っているとはいえ、湿度が終始高すぎると断面が蒸れて腐る原因になります。風通しの良い、通常の部屋の湿度で管理してください。 |
| 注意点 | 土の水分管理 | 葉を失ったボトム株は、水分を外に逃がす(蒸散させる)工場を失った状態です。根が水を吸うスピードが劇的に落ちるため、土が乾くペースが格段に遅くなります。 いつも通り水やりをすると一発で根腐れするので、「土がカラカラに乾いてから数日後にあげる」くらいの乾燥気味(メリハリ)を意識してください。 |
増殖をさらに確実にする方法:高取り(こうどり / 空中取り木)
高取り(こうどり / 空中取り木)という手法を使うとさらに成功率が上がります。
「切ってから根を出させる」のではなく、「親株につけたまま先に発根させてから切る」という非常に安全な裏ワザです。
親株から常に水分や栄養が供給され続けるため、カット後の枯死リスクがほぼゼロになります。
- 増やしたい部分の気根に、湿らせた水苔をたっぷりと巻き付けます。
- 水苔が乾燥しないように、上からビニールラップや半分に切ったプラスチックカップなどで包み、上下を紐やマスキングテープで固定します。
- 数週間〜1ヶ月ほど経つと、ラップ越しに白い根がしっかりと伸びてくるのが見えます。
- 十分な発根を確認したら、その根のすぐ下で親株からカットし、そのまま土やベラボンに植え付けます。
気根をラップと水苔で覆って発根させて地中根を得る方法は過去記事でも色々書いてきましたし、実践してきました。



要するにこれを気根が出ている全ての節で実行するということです。
別に水苔で覆う気根は一個でなくても問題ありません。なんなら全部の気根を水苔で包んでもかまいません。
この「今ある節全てに気根があるなら、全ての節を水苔で包んで全ての節を発根させてからカットする」という手法は海外のレアプランツコレクターやプロの間でも「連鎖取り木(レイヤー・エアレイヤリング)」などと呼ばれる手法であり、以下のメリットがあります。
- カットした瞬間から「即戦力」になる:普通はカットしてから「うまく発根するかな…」とハラハラしながら数週間待つことになりますが、この方法なら切り離した瞬間にすでに「1株の完成品(根付き)」になります。それが全てのカットした茎や葉付き茎、土台で起こります。
- 新芽の展開スピードが圧倒的に違う:根があるので水分や養分を吸収するスピードが最初からMAX状態です。そのため、カットされたストレスで株がヘタること(気孔を閉じて成長を止めること)がなく、ミドルカットであっても潜伏芽(新芽)が動くスピードが劇的に早くなります。
- 斑入り(ホワイトタイガーなど)の腐敗リスクをほぼゼロにできる:カット後の失敗で一番多い「切り口からの腐れ(軟腐病)」は、体力がなく発根に時間がかかっている間に起きやすいです。最初から自前の根があれば、環境変化に耐える体力が段違いなので、腐る隙を与えません。
これらのメリットをすべてのカットした茎や葉付き茎、土台で引き起こせるので、発根まで若干時間がかかりますが、成功率を上げる方法なので参考にしてみてください。
要するに根っこが付いた状態でスタートできるので水を吸う力が落ちにくいため株の体力が続きやすいということです。
冬にどうやって適切な温度と湿度を得るのか
適切な温度と湿度をまとめると以下のようになります。
- トップカット:温度20℃ 〜 28℃、湿度70〜85%
- ボトムカット:温度23℃ 〜 28℃、湿度80% 〜 90%
- ボトムカット:温度20℃ 〜 28℃、湿度50% 〜 60%
これを冬に維持するには人工的な装置を使うしかありません。
色々やり方はあると思いますが、私がやるとしたら以下のような感じになるという手法を書いていきます。
- 24時間エアコン+加湿器
- 簡易温室+濡れタオル+ヒートマット
24時間エアコン+加湿器
これが一番簡単です。
エアコンで温度を確保して、加湿器でエアコンの乾燥を防止します。
高断熱高気密住宅なら維持コストも少なくて済みます。
昔の建築物の場合はエアコンでかなり電気代がかかるので後述する簡易温室を使ったやり方でもいいと思います。
加湿器は目標湿度で自動的に止まるものがいいですね。まあでも湿度70%って人間の快適湿度からは外れるので、植物部屋みたいな部屋を作らないと厳しいかもしれません。
加湿器の吐き出しミストをサーキュレーターで風に乗せて、風下にモンステラを置くとかすれば一部分だけ湿度を上げられるので人間との同居もいけるかもしれません。
指定湿度でだけ動く加湿器としてはSwitchBotの製品が有名です。
SwitchBotのハブミニと温湿度計と組み合わせて使います。
簡易温室+濡れタオル+ヒートマット
限定的な空間を高温・高湿度に保つやり方です。
タカショーのビニールハウスは底面が71✕51cmですから、BRIMのヒートマットが入ります。ヒートマットに温度センサーがついているので、別途温度計をビニールハウスに吊るしておいて、ヒートマットの設定温度を色々調整すればある程度の温度を維持してくれるでしょう。
あとは空いたスペースに塗れタオルを絞って入れておけば高湿度を維持できるでしょう。茎伏せなら水苔などに毎朝一回など定期的に霧吹きするだけでも一日以上もつと思います。タッパーの蓋を閉め続けて湿度100%になってしまうなら、蓋を開けて濡れタオルで空間湿度を調整するといいと思います。
なおヒートマットを高湿度環境に置く都合上電気のショートには気をつけましょう。一応防水性能が高いモデルですが、当サイトではこの方法を真似して何か不具合や損害が生じても、当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。
もしさらに断熱性能を高めたいなら、爬虫類温室などを参考に周りを発泡スチロールとかスタイロフォームの板で囲ってください。3cm程度の厚みで十分でしょう。
ボトムカットの株はそれほど湿度がいらないので、タオルの量などで加減してください。
ヒートマットの稼働時間を減らしたいなら風呂の残り湯などを利用すると夜のヒートマットの稼働時間を減らせます。
以下の記事を読めばだいたいわかると思います。よろしければ参考にしてみてください。まあここまでしなくてもいい気もしますが。

まとめ
今回はモンステラを冬に増やす方法を考えてみたという内容でした。
冬は人工的に高温・高湿度空間を作るしか増やす環境は作れません。
何かの参考になりましたら幸いです。
