今回はモンステラの小さい葉をどう処理すべきかという話題の解説です。
葉が小さいことに対する問題を整理する
モンステラの葉が小さいというとき以下のような疑問が生じます。
- 小さい葉がいっこうに成長しないから見た目が悪い→切りたい・大きい葉がほしい
- 大きい葉が出ないのは何か育て方を間違っているのかもしれない→大きい葉が欲しい
- 小さい葉は弱っているから切ってしまったほうが株が元気になる→切りたい・大きい葉がほしい
これら3つの疑問について解説していきます。
小さい葉がいっこうに成長しないから見た目が悪い→切りたい・大きい葉がほしい
まず見た目が悪いから切った場合、大きい葉がその後ちゃんと手に入るのか、切って弱ったりしないのかというのが最も重要な問題です。
結論としては「株の体力と切る位置」が重要になります。
体力が無い株で少ない小さい葉を切ってしまったらそのまま枯れてしまいます。
また切る位置を間違えると新芽そのものが出てきません。
そもそも小さい葉を切って大きい葉が出るのか
小さい葉が邪魔だから切って新しい芽が出てきたとしてそれが大きくなるのかというのが知りたいところですが、残念ながら小さい葉を切ったから次の葉が大きくなるかというと「たぶんならない」という結論になります。
葉が大きくなるかどうかは以下のような要因で決まってきます。
- 根の張りと量:葉を大きく広げるには、それに見合う水分と養分を吸い上げる「強力な根」が必要です。
- 光環境(光合成の量):十分な明るさが無いと、葉を大きくするエネルギーを作れません。
- 登るための「支柱」の有無(モンステラの特性):「つる性」があるので、上に登っていると植物が判断すると「自分は安定している」と判断し、茎が太くなり、葉が巨大化(+切れ込み)していきます。
これら3つの要素をクリアしないと葉は大きくなりません。
葉が小さい時点でおそらく上の3つの条件のどれかを満たしておらず、同じような環境で育てればまた小さい葉が出るだけになりがちです。
株の体力と切る位置
株の体力が無い状態で、つまり小さい葉しか株に無い状態で小さい葉を一度に切ってしまうと非常に厳しくなります。
根が非常に充実していて強剪定する場合は、株に体力が残っているので芽吹く可能性がありますが、小さい苗でそれをやるとそのまま枯れる可能性が高いです。
また切る位置として、切った位置から根に向かった方向に「まだ新芽が出ていない節」が無いと新しい芽が出ずそのままその茎は終了です。
基本的に小さい葉しかない状態なら無理して切らずに葉の枚数を増やしていき、根を充実させながら成長に合わせて鉢上げして株の体力と根の水と栄養を吸い上げる力を増強すべきです。
もしそれでも切りたい場合は「全体の葉の3割以下の量切る」のが無難です。5割くらい切ると以下のような要因で株が弱っていきます。
- 光合成能力の著しい低下:葉があるほど光合成するので切ると栄養が作れなくなります
- 根腐れの助長:葉の蒸散は根から水を吸い上げる原動力です。葉がなくなると蒸散が少なくなり根回りの水が吸い上げられないので根回りが過剰湿度になって根腐れします
またモンステラは「頂芽優勢」という仕組みがあり、その茎の頂点の葉があるうちはそれより後ろの節にある「潜伏芽(新芽の候補)」が動かない性質があります。
葉っぱを切ると頂点の葉がなくなり、切った位置より下の一番先端にある節の潜伏芽がようやく動き出して新芽が出てきます。
つまり切った後に根に繋がっている「節」が存在しないと新芽が出ません。
切った後の株にまだ芽が出ていない節が必ず残るようにカットしましょう。
大きい葉の出し方
ここまでの解説でおおよそ大きい葉がなぜ出ないのかおわかりだと思います。
ここでは大きい葉を出す方法をもう少し掘り下げてみましょう。
根の張りと量を増強する
モンステラの根は太く、酸素を非常に多く必要とします。
常に土がジメジメして空気の隙間がない状態だと、根は伸びるどころか酸欠で腐ってしまいます。
まず水はけのよい用土を使うことが重要です。
と言っても一般的な観葉植物用の土を使えばOKです。
プロトリーフ室内向け観葉・多肉の土は堆肥系の材料が含まれておらず、虫がわきにくく、通気性も良い土です。
また水やりの仕方も工夫しましょう。
「土の表面が乾いたら」ではなく、「鉢を持ち上げて、明らかに軽くなってから」鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えます。
この「喉が渇いた時間」を作ることで、根は生き残るために必死に手を伸ばすように伸びていきます。
鉢の選択も重要です。できればスリット鉢を使いましょう。
普通の鉢だと、根が鉢底に到達したあとに壁面に沿ってぐるぐるとトグロを巻いてしまい(サークリング現象)、効率の悪い貧弱な根になってしまいます。
スリット鉢はスリットから入る光と空気に根の先端が触れることで、先端の成長が自然に止まります(空中剪定効果)。
すると、植物は「もっと根を分岐させなきゃ」とスイッチが入り、鉢の内部で細かい側根が増殖します。
気根をすべて土に誘導するのも効果があります。
気根は土に入ると地中根になって普通の水や栄養を吸い上げる根に変わります。
プラプラしている気根があるならそれを土に埋めてみると根が充実します。
また中途半端に伸びて成長が止まっているような気根は水苔で包んで土に誘導すると地中根に変わって土に伸びていくのでやってみてもいいでしょう。


上の写真のように湿らせた水苔で気根を包んでサランラップで蓋をします。
数週間すると下の写真のように気根から地中根が出てきます。このあとさらに水苔で包んで数週間放置したところ地中まで到達し、それまで全く動きのなかった株から新しい葉が出てきました。

光環境の整備
モンステラは光がちゃんと当たっていないと成長が鈍る植物です。
ただし光が多すぎても葉焼けしてダメになるので、適切な光量を守るのが重要です。
葉焼けについては以下の記事で解説しています。

また直射日光との付き合い方は以下で解説しています。

結論としてはモンステラに必要な照度は以下の通りです。
- 斑入り:5,000 〜 6,000 lux(南向き・東向きの窓辺から「1mほど室内に入った」場所、レースのカーテン越し(2重レースや遮光率40〜50%)の窓際)
- 斑なし:10,000 〜 15,000 lux:南向き・東向きの窓際(レースのカーテン越し、または遮光なし)
心配なら簡単なものでよいので照度計を一個持っておくと安心です。
登るための「支柱」
水苔支柱とか色々ありますが、簡単なのはココナッツ支柱を使うことです。
支柱を立てて茎を誘引して麻紐などでゆるく縛れば終わりです。
もしやり方がよくわからない場合は以下のYouTuberの方の動画などを参考にしてください。
大きい葉が出ないのは何か育て方を間違っているのかもしれない→大きい葉が欲しい
確かに上で述べたように3つの要件(根の充実・光・支柱)のどれかが貧弱な場合小さい葉になりがちなので、3要件を充実させていきましょう。
それ以外にも肥料の与え方に注意してください。
大きくしたいからと言って、肥料過多だと今度は肥料焼けして根が終わってしまいます。
基本的に液肥を使うのが簡単です。
- 一般的な観葉植物の規定値が「1000倍」であれば、安全を見て「1500倍〜2000倍」の薄めからスタートします。
- 必ず「成長期(春〜秋)」だけに与えます。具体的には、最高気温が20℃〜30℃前後です。15度で休眠に入り始め、35度だと暑すぎて成長が止まります。
- カラカラに乾いた土にいきなり液肥を流し込むと、根がびっくりして痛むことがあります。少し土が湿っている状態、あるいは水やりをして余分な水が抜けた直後に、仕上げとして液肥を流し込むのが理想です。
通常の成長期は「ハイポネックス原液」などのバランス型液肥を1500倍に薄めて2週間に1回与えます。
以下のような時期には与えないほうが良いでしょう。
- 植え替え・カット・植え直しをしてから2週間以内(根が傷ついており、まだ肥料を吸う体勢が整っていません
- 株が弱っている、葉が黄色くなっているとき(病気や根腐れの可能性があり、肥料を入れるとトドメを刺すことになります)
- 直射日光がガンガン当たって、鉢の中の温度が高くなっている時間帯(液肥を与えるなら、涼しい朝か夕方が鉄則です)
小さい葉は弱っているから切ってしまったほうが株が元気になる→切りたい・大きい葉がほしい
小さい葉と言えども光合成の主体ですから、大きい葉が他にたくさんあるなら切ってもいいですけど、小さい葉しか無い場合は光合成のストップと、蒸散停止で根からの水の吸い上げ停止がダブルで起きて終わります。
切るなら株の体力が小さい葉を切ることで衰えないか考えて切りましょう。
またトマトの実を大きくするように、小さい葉を間引くことで他の葉が大きくなると考えたくなりますが、基本的にいったんサイズが決まった葉がそれ以上大きくなることはありません。
葉を大きくするなら「葉が成長している期間に成長しうるだけの栄養と水と光を与える」のが必須です。
つまり上でも書きましたが「根」と「光」を充実させない限りは、いくら小さい葉を切っても、大きい葉が出るポテンシャルが無いので、いつまでも小さい葉が展開し続ける結果になります。
小さい葉がなぜ出るのかをよく分析してそれに対してアプローチしないと大きい葉にならないということです。
まとめ
今回はモンステラの小さい葉をどう処理すべきかという話題の解説でした。
大きい葉を得る3条件を考慮しながらモンステラを育成してみてください。

