今回はモンステラの枯れた葉はどこから切るといいのかという話題の解説です。
枯れの2パターン
葉が枯れるという場合、主に以下の2つの場合があります。
- 葉っぱ全体が完全に枯れる
- 葉の一部分だけ枯れる(葉焼け・斑焼け)
葉っぱ全体が完全に枯れた場合
この場合、いくら待っても葉は復活しないので、茎から伸びている葉柄の根元(茎の際から1〜2cmほど残す位置)で切ります。
大本の茎は切らないでおきます。
枯れた葉はトップカットなどの増殖方法にも使えないので、切って捨てるくらいしか対処方法がありません。
葉っぱが完全に枯れるまで待ったほうがいいのか
葉全体の半分以上が黄色・茶色に変色し、葉柄(茎と葉をつなぐ柄)がクタッと垂れてきた段階で切り落とすのが最もバランスの良いタイミングです。
完全にカラカラに乾くまで待つ必要はありません。
栄養転流と言って、植物は日照条件が悪い葉などをリストラしてその葉の栄養を株に戻す仕組みがあるため、完全に枯れるまで待ったほうが栄養転流がより進む、と考えるかもしれませんが、葉が黄色くなった時点で、移動可能な主要な栄養素(窒素・リン・カリウムなど)の転流(再吸収)はほぼ完了しています。
またそういう「健全な」感じで枯れるなら問題ないのですが、黒い斑点が広がっている、湿ってグジュグジュしている、あるいは葉の裏に粉状のものが見える場合は、待たずに即座に切除してください。
病気とかカビにやられている可能性があるので、株全体にそれらが広がる前に対処しましょう。
葉の一部分だけ枯れる(葉焼け・斑焼け)
葉の一部だけ焦げたように枯れる「葉焼け」「斑焼け」の場合、緑の部分は生きているので、全体を切り落とさずに焦げたようになっている部分だけ切ると葉の体力という視点で理にかなっています。
葉の一部が葉焼けや斑焼け(白斑部分の壊死)を起こした場合、茶色い枯れ込み部分の内側を切るのが基本です。
これは斑が無い通常のモンステラでも斑入りのモンステラでも一緒で、枯れた部分だけ切りましょう。
茶色い枯れた部分をちょっとだけ残すのがコツです。焼けた部分はちょっと(1mmくらい)残してかさぶたにします。
あえて残した極細の茶色い縁は、植物が自己防衛で作った「かさぶた(防御層)」です。
これがあればそこから先に葉焼け・斑焼けが広がりにくくなります。
切るときに生きた緑色とか白色の組織まで切ってしまうと生きた組織を放置するのと一緒になり、そこからまた枯れ始めるので注意しましょう。
じゃあそもそも切らないで葉焼けを放置したほうがいいのでは?と思うかもしれませんが、この焼けた部分は放置するとカビの温床になりやすいのであんまり放置しないほうがいいです。
枯れた葉を切るハサミ
剪定ハサミの刃を消毒用エタノールで拭くか、火であぶって冷まします。切り口からの雑菌侵入を防ぐために必須です。
葉の全体が枯れているときは、主茎(幹)にピッタリ付けて切るのではなく、主茎から2〜3cmほど葉柄を残して切断します。主茎ギリギリを切ると、主茎内部に傷や腐敗が及ぶリスクがあるためです。
残した2〜3cmの葉柄は、数日から数週間かけて自然に茶色く干からびます。完全に乾くと主茎の付け根からポロッと手で簡単に剥がれ落ちます。
切り口の表面が数時間〜1日程度で乾き、黒ずみや異臭がなければ処置は成功です。
なぜ葉が枯れるのか
結局の所植物全体の様々な要因の結果として葉が枯れるという症状を引き起こすので原因は多岐に渡ります。
かといって原因を放置すると葉の枯れが再発するので、ある程度原因を究明したほうがいいでしょう。
ここからは葉が枯れる原因をざっくり挙げて対応方法を書いていきます。
葉の全体が枯れる原因
主な原因を列挙します。
- 根腐れ(過湿・通気不足)
- 極度の水切れ・乾燥
- 自然な老化(生理落葉)
- 低温・寒波障害
根腐れ(過湿・通気不足)
水やりに失敗すると起こりやすい根の傷み現象です。
詳細は以下の記事で扱っています。

モンステラの水やりの基本は、「しっかり乾かしてから、鉢底から溢れるまでたっぷり与える」というメリハリです。
たっぷり与えるのも重要で鉢底から水が溢れ出るまで注ぐことで、土の中にとどまっていた古い空気や老廃物を押し出し、新鮮な酸素を根に届けることができます。
一番良いのは鉢を定期的に持ち上げて、水やり直後の重さと水分がなくなって軽くなった重さを手に覚えさせることです。
冬だけ他の季節と違います。休眠時は特にやり過ぎに注意してください。生育が緩慢になるので水をあまり吸い上げない状態になります。
| 季節 | 生育状態 | 水やりのタイミング |
| 春〜秋 (暖かく成長する時期) | 活発 | 土の表面が乾いたら、さらに1〜2日待ってから与える。 ※風通しが良い場所なら、土の表面が乾いたらすぐでも OK。 |
| 冬 (15℃以下・成長が鈍化する時期) | 休眠期 | 土が完全に乾ききってから、さらに2〜3日置いてから与える。 ※ほぼ乾燥気味に保つことで、耐寒性も上がります。 |
極度の水切れ・乾燥
水やりの基本である「しっかり乾かしてから、鉢底から溢れるまでたっぷり与える」を参考に正しく水やりしてください。
自然な老化(生理落葉)
以下の条件に当てはまる場合自然な老化なので枯れたら手順通りにカットしてください。
- 一番外側・一番下の「最古参の葉」から1枚だけ枯れる(複数同時に枯れていない)
- 新芽・新しい葉は元気でピンとしている
- 葉柄(茎と葉をつなぐ柄)が硬く立ち上がっている(いきなりフニャフニャと根元から腐ちるようには倒れない)
- 乾いた質感で、斑点や悪臭がない
また以下の枯れ方だとまずい状態なので適切に対応しましょう。
- 新芽や上部の若い葉が枯れる・黒ずむ(根腐れ・低温障害・肥料焼け)
- 下葉だけでなく、2〜3枚以上が一気に黄色くなる(根詰まり・深刻な水切れ・根腐れ)
- 葉柄の付け根が茶色〜黒色になり、触るとブヨブヨしている(軟腐病や根腐れの進行)
- 黄色い部分の中に黒い斑点やカビ状の粉がある(炭疽病などの糸状菌感染)
軟腐病のときは以下のようにします。
- 消毒した清潔な刃物で、ブヨブヨした患部を完全に切り落とします。主茎(幹)にまで達している場合は、茶色く変色した組織が一切残らないよう、硬く白い健康な部分が見えるまでスプーンなどでえぐり取ります。
- 確認方法: 断面に茶色や黒の筋や濁りが残っておらず、硬い組織だけになっていれば切除完了です。
- 切り口にトップジンMペーストなどの殺菌癒合剤を塗るか、ベンレート等の殺菌剤粉末をまぶします。その後、風通しの良い明るい日陰に置き、切り口をしっかりと乾かします。
- 確認方法: 切り口の表面がカラカラに乾き、浸出液(汁)が出てこなくなれば密閉できています。
- 鉢土が中まで完全に乾くまで水やりを一切止めます。細菌は水滴や触れた手・道具を介して他の植物へ伝染するため、他の鉢から離して管理してください。
- 確認方法: 患部周辺の軟化が止まり、他の葉柄に黒ずみや変色が進んでいなければ感染の封じ込め成功です。
炭疽病などの糸状菌感染の場合は以下のようにします。
- 病変が出ている葉を、葉柄の根元(主茎から2〜3cm離した位置)からハサミで切り落とします。作業時は胞子が飛ばないよう静かに扱い、切った葉はビニール袋に入れて密閉して破棄します。
- 確認方法: 斑点やカビが見られる葉が株に残っていない状態にします。
- 市販の園芸用殺菌剤(ベニカXファインスプレー、ダコニール1000、トップジンM水和剤など)を、残った健康な葉の表裏や茎、株元へまんべんなく吹きかけます。
- 確認方法: 葉の裏面や付け根まで薬剤がしっかり付着しているか目視で確認します。
- 葉水(霧吹き)を一時的に中止します。カビは「多湿+無風」で一気に繁殖するため、サーキュレーター等でそよ風を当てて空気を動かし、鉢の周りに湿気が滞留しないようにします。
- 確認方法: 散布後、新芽や他の葉に新たな黒い同心円状の斑点が増えなければ処置成功です。
低温・寒波障害
15℃を下回ると休眠の管理が必要です。5℃を下回ると基本的に枯れます。
詳細は以下の記事をご覧ください。


休眠状態に入ると栄養転流などの仕組みにより古い葉から栄養を回収して葉が枯れます。
エアコンの直の風はよくないので、エアコンの風を当てないようにします。詳細は以下の記事もご覧ください。

葉の一部分だけ枯れる(葉焼け・斑焼け)
葉焼けは光の強さと葉の耐性のミスマッチにより、強光エネルギーが葉緑素を破壊して起こります。
また斑焼けは斑入り品種(バリエガータなど)の斑部分は葉緑素を持たないため、組織が非常に薄く脆弱で、特有の理由で枯れ込みが起きます。
葉焼け・斑焼けを引き起こす照度は以下のようになります。なお基本的に直射日光は強光すぎるので危険です。
- 斑なし通常種:15000Lux以上
- 斑入り:8000Lux以上(葉っぱが4枚くらい展開して元気な場合)、6000Lux以上(葉っぱが少ないとか普通の管理ならこのくらいを上限にしたほうが失敗しにくい)
詳細は以下の記事もご覧ください。適切な置き場所などを解説しています。

斑焼けは斑の白い部分に光が当たりすぎると発生します。白い部分は葉緑素が無いので、活性酸素が溜まりやすくそれが斑の組織を攻撃して枯れていきます。
強光が原因で斑焼けした場合、すぐに光の弱い場所(3000Luxくらい)に移動させて様子を見てください。
また斑の部分は蒸散が下手なので蒸散しすぎる傾向があり、適切な湿度(最低でも50%以上)を常に保たないと保水できずに枯れていきます。
冬は加湿器などを使用して湿度を管理してください。
また斑は肥料焼けでも真っ先にリストラされる組織なので、肥料焼けしてないかも確認しましょう。
詳細は以下の記事で解説しています。

液体肥料で管理するのが簡単ですが、液体肥料(液肥)による肥料焼けを防ぐための最も重要な鉄則は、「ケチるように薄く使い、与えるときはたっぷりと流す」ことです。
肥料焼けを絶対に防ぎたい場合は、規定の1.5倍〜2倍近く薄めて(例:1,000倍指定なら1,500〜2,000倍に薄めて)与えてください。
通常の水やりのときのように鉢底から水が出るまでザーッと与えます。受け皿の水は捨てます。
また以下の状況では肥料は与えないようにしましょう。
- 冬場や、夏の猛暑日: モンステラの成長が停滞・ストップしている時は、肥料を全く吸収しません。土の中に成分が残り続け、根を傷めます。
- 植え替え直後(約2週間〜3週間): 植え替えで根が傷ついているため、この時期の肥料は厳禁です。根が新しい土に馴染むまでは真水だけにします。
- 株が弱っているとき: 葉が黄色くなっている、根腐れ気味など、元気が無いときに「栄養をあげよう」と肥料をやるのは逆効果です。人間が胃腸炎のときにステーキを食べるようなもので、トドメを刺すことになります。
まとめ
今回はモンステラの枯れた葉はどこから切るといいのかという話題の解説でした。
切り方は簡単ですけど、なぜ枯れるのか原因を究明しないと再発するので今回の記事の内容を参考にしてみてください。

