今回は生ごみ処理でよくあるお悩みである「臭い」と「虫」に関する内容です。電動乾燥式生ごみ処理機である「パリパリキュー」シリーズをご紹介します。
生ごみ処理機「パリパリキュー」生ごみを保管すると臭いと虫が問題になる

生ごみは放置すると分解されて臭いを放ちます。
臭いの原因は生ごみの腐敗です。生ごみに含まれる水分は、雑菌の繁殖や活動を活発化させて生ごみの腐敗を進行させます。
市川市, 生ごみ・紙おむつの臭い対策
また温度が上がると腐敗はより進行します。冷蔵庫を利用するのは食品を低温にして保存性を高めているからです。
つまり「水分」と「温度」がある状況では生ごみはより臭いを放ちます。
気温が高くなり、生ごみを冷蔵庫に入れるわけにはいかず、仕方なくごみ袋に入れて保存すると生ごみに「水分」、気温が高くなるので「温度」がある状況となり臭いを放つようになります。これが不快指数を上げます。
また生ごみの室内保存では、発生した臭いを求めてコバエが発生して不快指数がさらに上がります。コバエは室内への侵入を防ぐことはほぼ不可能なので、ごみ袋の口をしっかり締めるくらいしか手がありません。それでも臭いを完全に防ぐことはできず、コバエが発生してしまうことになります。
生ごみをコンポストにしようとしても臭いと虫が問題になる

では生ごみをごみ袋で保存せずコンポストにしてはどうか、ということを考えるかもしれません。
確かにコンポストにすれば生ごみは微生物の分解作用のときに微生物の活動元となり、消費されて減量化します。
またコンポストの成果物を家庭菜園に利用すれば、捨てちゃう生ごみで野菜や花を育てることができサステナブルです。
我が家では以下のような木枠でコンポストを作っています。

しかしながらコンポスト化の過程で臭気ガスが発生することがあります。
アンモニア、アルデヒド類は、微生物による分解過程で発生し、硫黄化合物類は生ごみが腐る(嫌気性発酵)ことにより発生する。また、テルペン類は、生ごみに含まれる果物の皮や資材(生ごみ処理機内の水分を調整して微生物が働きやすい環境を作るために機内に予め入れておくおがくず等)から発生するものである。
高橋通正(神奈川県環境科学センター), 家庭用生ごみ処理機から発生する臭気物質
一般的な木枠や段ボールを利用したコンポストはこれらアンモニア、アルデヒド類、硫黄化合物、テンペン類などの臭気物質が発生し、臭う場合があります。
ただし外に木枠などで作った簡単なコンポストの場合、外の通風が良ければ経験的にほとんど臭いは気になりません。
しかしながらコンポスト用に生ごみを追加するときなどに、蓋を開けると少し臭うことはたまにあります。
さらにまずいのが「虫」です。上の木枠のコンポストですが、ゴミムシやゴキブリ系の虫が寄ってきます。コンポストの蓋を開けるとこれらの虫が登場してゾワーっとなることがあります。蓋の裏には初夏ともなればナメクジがびっしりです。
ただ、ゴキブリやナメクジ類の大型の害虫はある程度通気性があって密封できるコンポスト容器なら侵入がある程度防止できます。
そうは言っても臭いはどうにもなりません。ちょっとやってみて臭いがご近所づきあいに影響しそうだとなると、生ごみを外に置いておけないですし、すると室内でごみ袋保存しか方法が無いみたいになります。
どうにかして臭いと虫の問題を解決できないのか。それを可能とするのが今回ご紹介する「電動式の乾燥式生ごみ処理機」となります。ついでに生ごみの減量化もできるのでゴミ出しの回数も減ります。
そもそも臭いと虫をなんとかするにはどうすればよいのか

上で生ごみの臭い発生には「水分」と「温度」が関係していると述べました。つまり「乾燥」させて「低温」ならよいわけです。
そうは言っても冷凍庫や冷蔵庫に生ごみを入れるわけにはいきません。それに「乾燥」だけでも腐敗に関係する微生物の働きは抑制できます。
微生物は活動に水分が必要なので、これを奪うことで不活性化できます。魚の干物やドライフルーツが長期保存可能なのはこの原理によります。
またコバエなどの虫も生ごみの腐敗した臭いにつられてやってくるので、腐敗を防げばある程度寄ってこなくなります。
腐敗を防ぐには乾燥させればよいと上で述べました。つまり生ごみを腐敗する前に乾燥させれば臭いもなく、コバエも防げるということになります。
肥料として乾燥生ごみを使うときの注意
ただし乾燥させた生ゴミを有機質肥料として使うときはコバエの発生に気をつけたほうがよいでしょう。
というのも動植物由来の有機質肥料はコバエの発生の原因となることがあります。
動植物の残骸を発酵させてできた腐葉土・油かす・魚粉・骨粉などの有機肥料は、コバエなどが好むものです。与え過ぎると集まりやすくなり、その鉢に卵を産み付ける可能性があります。
AND PLANTS, 観葉植物に付く虫|ダニや害虫の種類と対策について
実際我が家でも太陽熱殺虫したコンポストを室内の観葉植物に与えてみましたが、コバエは結構発生しました。
乾燥させた生ごみを湿った土の水分で再び湿らせているわけで、当然微生物の分解作用が働いて水分のある状態に戻ってしまうわけです。
乾燥させた生ごみを肥料として使う場合は、屋外の植木鉢や畑に使用するのが無難です。
ただしゴキブリやゴミムシ、ネキリムシの卵などは殺虫できるので、その点では太陽熱殺虫にも多少価値があると思われます。

結局どうすればいいかというと以下のようになります。
- 乾燥生ごみをごみ袋に入れて保存し、燃えるゴミで出す(非乾燥生ごみよりは臭いと虫が発生しない)
- 乾燥生ごみを肥料として使用する(屋外の作物や花などに使用するのが無難)
生ごみを乾燥させれば重量・容量が減る

生ごみの約80%が水分です。

例えば完全乾燥させて水分ゼロにすれば80%の重量は蒸発して無くなるので、1/5まで軽くなります。
生ごみを乾燥させると重量がかなり減ることがわかると思います。
水分をなくせば生ごみは縮みます。つまりカサが減ります。
上の関連記事では低コストを意識して手作りのソーラーフードドライヤーを利用しています。
生ごみの重量と容量が減ればたくさんの生ごみをごみ袋に保存しておけます。ゴミ出しの時のごみ袋の重さもかなり軽減されます。たくさんの生ごみを保管できるようになるのでゴミ出しの回数も減ります。
乾燥しているので虫も臭いも防止できます。
ソーラーフードドライヤーはエコだが手間がかかる

ソーラーフードドライヤーを利用すれば太陽光だけで生ごみの乾燥ができます。
しかしながら水切りネット一つくらいの容量の生ごみでも乾燥には晴れの日を2~3日必要とします。
すると生ごみを入れたネットを何個も一度に運用する必要があり、曇りの日はソーラーフードドライヤーに入れておくと乾燥が止まって腐敗し臭いが出てくるので、通風の良い屋外にネットを干す必要があり、晴れになったらまたソーラーフードドライヤーに入れる必要があります。この出し入れが結構手間です。
つまり低コストに生ごみを乾燥させようとすれば手間がかかるということです。
時間があるならこれでも十分ですが、時間がないというのが多くの人の状況でしょうし、手間をかけたくないというのが多くの人の願いです。
乾燥式電気生ごみ処理機の力を使う「パリパリキュー」

ではどうするか。
お金で「時間と手間」を買いましょう。生ごみ処理機と電気を「買う」のです。
今回ご紹介するのは昭和27年創業のシマ株式会社が開発・販売している「パリパリキュー」という生ごみ処理機です。
生ごみ処理機「パリパリキュー」電気の力で60℃から80℃の温風を作り、それで生ごみを乾燥させます。室内で天候に左右されずに生ごみを乾燥できます。
脱臭フィルター付きで、乾燥時に発生する臭いもかなり軽減されています。
一気に乾燥させれば臭いは出ないような気がしますが、甘酸っぱい焦げたような臭いは発生するようです。
また、乾燥式では、アルデヒド類の割合が大きく(特に微生物分解式では検出されなかった n-バレルアルデヒドの割合が大きい )、加熱によって発生する、むせるような甘酸っぱい焦げたにおいの原因が確認された。
高橋通正(神奈川県環境科学センター), 家庭用生ごみ処理機から発生する臭気物質
つまり脱臭フィルターはあったほうがよいということになります。
パリパリキューの特徴

ここからはパリパリキューの解説をしていきます。特徴を挙げると以下のようになります。順に解説します。なお大体の説明は公式通販サイトにあります。画像付きです。
生ごみ処理機「パリパリキュー」- 軽量・コンパクト(パリパリキュー PPC-11:幅230mm×奥行270mm×高さ270mm、重量約4.1kg)
- 低騒音(約36dB)
- 臭わない
- 生ごみの分別がいらない(爪楊枝などが入っていても燃えない、一般的に人が食べられる食材・調理物なら大抵投入できる)
- パリパリモードとソフトモードの二種類で乾燥(ソフトモードのほうが乾燥力は弱いが電気代が少ない)
- 独自開発のPシステムで乾燥開始2時間後には30%以下まで減量
- Pシステムにより乾燥完了で自動停止するので生ごみ投入量が少なければ早く終了する(投入生ごみの種類・容量・状態で乾燥時間変動)
- 国際的に権威あるドイツのデザイン賞「GERMAN デザインアワード」や日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨のしくみである「グッドデザイン賞」などの受賞歴あり
- デザイン賞ばかりではなく、「蔦屋家電+大賞」や「mamatas award 家事 サステナブル部門グランプリ」などの受賞歴あり
- 自治体の助成金の補助が出ることがある
軽量・コンパクト
パリパリキュー PPC-11は幅230mm×奥行270mm×高さ270mm、重量約4.1kg程度となります。
A4コピー用紙が横210mm×縦297mm程度なので、場所を取りません。重量は4.1kgありますが、通常使用するときはフラワーバスケットだけシンクなどに置いておいて、そこに生ごみが溜まったら処理機本体にバスケットを設置するだけでよいので、本体全体は置きっぱなしで移動させる必要はありません。
低騒音
36dBがどのくらいかというと、深夜の郊外の住宅地の音量から静かなオフィスの音量の間くらいです。
また普通の生活空間で最も静かだと感じられる郊外の住宅地の深夜で30デシベル、おなじく小さなささやき声も約30デシベルほどと言われます。
静かなオフィスや小さめの話し声が40デシベルから50デシベル程度。
DENON Official Blog, 天気の音、音楽の音 〜音の大きさ「デシベル」について〜
結構静音です。キッチンで稼働させて寝室のドアを閉めたらほとんど動作音は聞こえないと思われます。
臭わない
独自の活性炭脱臭フィルターが付いています。
脱臭フィルターの1個あたりの交換目安時期は4~9ヶ月です。
生ごみの分別がいらない
MAX80℃なので、爪楊枝などが混入していても燃えません。ただしアルコール類・石油類等はさすがに危険なので入れてはいけません。油類がしみ込んだティッシュやキッチンペーパーも危険なので投入不可です。
そうはいっても、キッチンで出る生ごみだけ三角コーナー代わりに付属のフラワーバスケットに気を付けて入れていれば問題はないでしょう。
パリパリモードとソフトモードの二種類で乾燥
説明書によるとソフトモードならバスケット4割(300g)で約4時間10分、10割(700g)で約6時間20分が目安です。
パリパリモードならバスケット5割(500g)で約7時間30分、10割(1000g)で約10時間40分が目安です。
10割で(700g)と(1000g)の二種類あるのは、野菜同士の隙間によって同じ容量の野菜くずでも重さが違うからでしょう。
パリパリモードのほうが電力をより多く使用する代わりにパワーがあります。
電力料金目安単価27円/kWh(税込)で計算すると一回当たりの電気代はパリパリモードで約28円~約45円、ソフトモードで約16円~約23円となっています。
一日一回ソフトモードでこまめに乾燥させるとひと月30日として16×30で480円程度かかる計算ですね。
ゴミ出し用の指定ごみ袋の価格が10枚あたり90円から750円として、大袋(40L)10枚750円としてみます。(参考:八王子市, 指定収集袋の種類と価格)
例えば週二回のごみ出しがパリパリキューによって週一回になって、ごみ袋を40Lで月8袋使っていたところ4袋で済んだとします。
すると75円×4=300円お得になります。電気代との差額は約180円です。
さらにごみ袋の重量が減るのでゴミ出しが楽になります。月180円でごみ袋が軽くなるし、いちいちごみ収集所まで外出する機会が半分になるなら、価値はあると思います。
二日に一回パリパリモードでいっぺんに乾かすとしてみると、電気代は多めに見積もっても48円×15日=720円程度となります。ゴミ袋との差額は約420円です。このくらいなら現実的な選択肢に入ってくるのではないでしょうか。
とはいえ4人世帯の一日の生ごみ排出量は1kg程度と言われています。
一家庭(4人家族)の平均で一日に出る生ごみの量は約1kgとも言われています。
長崎市, 生ごみの減量・リサイクルについて
4人家族くらいの世帯ならパリパリモード(10割、1000g)相当となり、毎日最大出力最長運転となる可能性があります。
すると電気代は48円×30日=1440円程度となり、「ちょっと家計には重いな」くらいになります。最初に述べたように手間と時間を「購入する」という状況となります。
とはいえ「虫」と「臭い」による不快指数が無くなるという最大のメリットがありますので、導入する価値はあると思います。
自治体の補助が出る場合があるので確認を
例えば東京都港区なら以下のようになります。
一世帯につき、1台の生ごみ処理機等本体の購入費用(消費税込み)の2分の1(100円未満切捨て)で、「20,000円」を上限とします。
港区, 家庭用生ごみ処理機等購入費の助成制度
注意点としては、購入後三か月以内に申請しないと助成されない、中古品不可などの条件がある場合があります。購入後ではなく、購入前に確認しておきましょう。
詳しくはお住いの自治体の生ごみ処理機の助成金についてお調べください。
パリパリキュー「シリーズ」

パリパリキューにはいくつかのラインナップがあります。
- 最大容量で数々の賞を受賞しているパリパリキュー 「PPC-11」
- 標準モード、少なめモード両方で自動停止機能がついたパリパリキューライト「PCL-35」
- 節電モード(自動停止)と通常モード(9時間運転、自動停止なし)のパリパリキューブライトアルファ「PCL-33」
PPC11は5人まで用、PCL-35とPCL-33が3人まで用となっています。
「PCL-35」と「PCL-33」の主な違いは標準的なモードに自動停止が付くかどうかくらいの違いです。外観と電気代はあまり変わりません。PCL-35のほうが若干標準的なモードの電気代が自動停止する分少ないです。(約22円~約26円。PCL-33は通常モードで約27円)
それぞれの通常価格は以下のようになっています。
- PPC-11:49,500円(税込)
- PCL-35:30,360円(税込)
- PCL-33:30,360円(税込)
PPC-11「パリパリキュー」の公式ストアからのご注文はこちらとなっています。2024年5月16日の情報では15%オフで購入できます。
生ごみ処理機「パリパリキュー」そのほかPCL-35とPCL-33はアマゾン、楽天、ヤフーショッピングなどで購入可能です。PPC-11も調達できます。
生ごみを乾燥させるとごみ収集のコストが減る

最後に付け加えておくと、生ごみを家庭で乾燥させれば、燃やせるゴミが減るので、ごみ収集車の燃料や人件費が削減できます。だからこそ各自治体は助成制度を実施しているのです。
多くの収集車はガソリン駆動なので燃料を減らせればサステナブルです。
またさらにサステナブルにするには乾燥に使う電気をクリーンエネルギー由来にするとよいですね。
家庭で比較的取り入れやすいのはポータブル電源とそれらにつなぐことのできるソーラーパネルの組み合わせとなりますね。
ただし必要電力を計算してみると最低でもPPC-11なら1.7kWh程度、PCL-33なら1kWh程度の蓄電池が必要なので、かなりの大容量モデルに投資しないと乾燥のすべてをまかなうことはできません。
それよりも、テレビやちょっとした充電などに使用して、見かけ上節電したほうが現実的です。

番外編【さらに高性能なものをお求めならルーフェンもあるよ】
今回はパリパリキューシリーズを中心に解説しましたが、さらに高機能なものが欲しい場合はルーフェンという生ごみ処理機がおすすめです。
パリパリキューシリーズと同様に生ごみを乾燥させるタイプの生ごみ処理機です。

パリパリキューシリーズとの主な違いは以下となります。投入できる生ごみの量はパリパリキューPPC-11と同じくらいです。
- AIによって乾燥時の電気量を調整して節電
- 運転中の途中投入が可能
消費電力は平均90W程度。1kWhあたり27円として8時間運転すると仮定すると約20円となり、パリパリキューのパリパリモードより安くなる計算です。
見た目もシンプルで台所になじみやすいです。
スイッチを入れている間は生ゴミの途中投入が可能で、稼働中に生ゴミが出てもどこかに水を切って保管する手間が不要なのも便利ですね。
ただし乾燥終了アラームやタイマーは無く、生ゴミが入っている間は常に乾燥状態になるように設計されているのでだいたい乾いてきたなーと思ったら都度乾燥生ゴミを取り出す必要があります。
Amazon(2025年3月28日時点)での価格は70,400(税込)くらいとなっています。
パリパリキューよりは高額な買い物となりますが、補助金が出る場合もあるので、デザインや電気代で刺さるなら検討してみてはいかがでしょうか?
公式サイト経由なら59,620円(税込み)プラス送料(1,320円)くらいで購入可能です(一括払いの場合)。
まとめ【生ごみの虫と臭いにパリパリキュー】

今回は生ごみの虫と臭い対策に電動乾燥式生ごみ処理機のパリパリキューシリーズをご紹介するという内容でした。
電動乾燥式生ごみ処理機はさすがに一般流通する製品だけあって、ソーラーフードドライヤーとかを使うよりは、はるかに手間が少ないです。生活を楽にするのは間違いないです。
自治体の助成金がある場合もあります。高い買い物ですが有用です。使用を検討してみるのはいかがでしょうか。
