今回はモンステラの水をやりすぎるという話題に対して、どうやって水のやりすぎを判断するのか、やりすぎない水やりはどうやるのかという話をします。
水やりのしすぎは根腐れに繋がる
モンステラが枯れる原因の一つでよくあるのが「根腐れ」です。以下根腐れの症状です。
- 土の中では健康な白っぽい根が黒色や濃い茶色に変色します
- 土の上では葉や茎がしんなり垂れていきます
- 下葉(古い葉)から順に全体が黄色く変色していきます
- 葉のフチや中心に黒・茶色のシミ(黒斑)ができます
- 株元(茎のベース)の黒ずみと軟化が起きます
- 鉢土がいつまでも乾かなくなります
これは土の根周りの酸欠で起きます。
根は呼吸しているので水だらけになると窒息して根の細胞が死にます。そこに腐敗菌が繁殖して腐っていく、結果として根の機能がなくなっていって水分も養分も吸えなくなって枯れるわけです。
根腐れは根の周りの水分の話なので水やりと非常に関係があります。
根腐れはなぜ起きるのか
主に以下のような要因で発生します。
- 土が乾く前に水を与えてしまう
- 受け皿に溜まった水を放置している
- 水はけ・通気性の悪い土を使っている
- 根詰まり(鉢の中が根で一杯)
- 鉢のサイズが大きすぎる
- 風通しが悪い(空気の停滞)
- 日当たりが悪い(光合成不足)
- 低温期の肥料やり
土が乾く前に水を与えてしまう
水やりするタイミングの問題です。
鉢の土が乾かないまま水を与えることを繰り返すと土の中が常に湿っていて空気が供給される機会がないので、根は呼吸できずに腐っていきます。
このあと解説しますが、季節ごとにどのくらい水やりするかは変動するのでそちらもご覧ください。
乾燥してからたっぷりとが基本です。
受け皿に溜まった水を放置している
鉢底から出た水を受け皿に溜めたままにすると、鉢底から常に水が吸い上げられ、鉢の底部がずっと水浸し(酸欠状態)になります。
水やりのあとに受け皿に水が溜まったらすぐ捨てましょう。
水はけ・通気性の悪い土を使っている
粘土質の土や、古くなって潰れた土は、水や空気が通りにくく根腐れのリスクが高まります。
ずっと同じ土を使わずに定期的に植え替えをしましょう。
正しい植え替え方法とおすすめの土はこのあと解説します。
根詰まり(鉢の中が根で一杯)
何年も植え替えをしていないと、鉢の中が根でギチギチになります。
すると水の通り道や空気の隙間がなくなり、水はけが悪くなって根腐れを起こします。
このあと解説する正しい植え替えの方法を参考にしてください。
鉢のサイズが大きすぎる
鉢が大きければ大きいほど根が張るスペースが多くなって株に良さそうに思いますが、少ない根の量の場合、水を吸い上げる量が少ないので、根から少し離れた場所はいつまでも湿ったままになり、結果として水分過剰で根腐れします。
適切な鉢を選ぶのが重要です。
このあと解説する草体の大きさに対する適切な鉢のサイズを参考にしてください。
風通しが悪い(空気の停滞)
葉っぱ周りに適切なそよ風が無いと蒸散が滞ります。
蒸散した水分は風がないと水蒸気の膜のようなものを構成して、蒸散できない蓋のような役割をするからです。
風によってその膜は取り除かれるのですが、風が全く無い状況だといつまでも蒸散ができません。
蒸散することで根から水が吸い上げられるため、蒸散が止まると根から水を吸い上げることもなくなります。
すると根の周りの水分はいつまでも根の周りに留まるので根腐れに繋がります。
根本的な解決策は定期的に窓を開けて換気するとか、冬で完全屋内栽培で窓も開けない場合はサーキュレーターで優しく風を送るとかするしかないです。「葉っぱ1〜2枚がユラユラ揺れる」くらいを目安にしましょう。逆に風が強すぎると蒸散が活発になりすぎて「これ以上は枯れる」と植物が判断して気孔が閉じて蒸散をしなくなってしまいます。
日当たりが悪い(光合成不足)
光量が足りないと植物全体の代謝が落ち、根が水を吸う力(吸水力)自体が弱まります。
その結果、土の中に水が残りやすくなります。
モンステラに適切な光量はある程度決まっているので、以下の記事もご覧ください。斑入り・斑なしで変わってきます。
外に出すなら以下の記事を参考にしてみてください。

そもそもの適切な光量については以下の記事をご覧ください。

一応モンステラの適切な光量を載せておきます。
まずは斑がない通常のモンステラの場合。
- 10,000 〜 15,000 lux(健康的・理想のベース)
- 20,000 〜 30,000 lux(上限の目安)
次が斑入りモンステラの場合。
- 5,000 〜 6,000 lux(安全圏)
- 6,000 〜 8,000 lux(成長促進・挑戦圏)
窓辺の日が当たる場所とかだと季節関係なく完全にオーバーするので、できれば照度計でちゃんと測って季節ごとに場所を動かしたほうが無難です。
また茎伏せなどの小さい段階からの適切な光量は以下の記事で各ステージごとに解説しているのでそちらもご覧ください。

低温期の肥料やり
成長が止まっている時期に肥料を与えると、根が肥料を吸収できず、根の周りの肥料濃度が高くなりすぎて「肥料焼け(根の細胞から水分が抜ける現象)」を起こし、それが原因で根が腐ることがあります。
特に冬の休眠期の肥料やりはしないようにしましょう。
水やりのしすぎをどう判断するのか
水は少なすぎるのも問題ですがやり過ぎも根腐れに繋がるので避けなければいけません。
以下のような項目をチェックして水やりのしすぎを判断してみましょう。
- 土の表面が数日間ずっと湿っている
- 土の表面にカビや白いコケ、生臭い匂いがある
- 鉢を持ち上げたとき「ずっしり」重い状態が続く
- 葉の先端から「水滴」が毎日大量に出ている(排水現象)
- 土は湿っているのに、葉がしんなり垂れて黄変している
- 竹串・割り箸を挿してみる→「湿った土がくっついてくる・濡れている」なら水やり不要。「サラサラで土がついてこない」なら水やりのタイミングです
- 水分計(サスティーなど)を使う:失敗が少なくなります
サスティーはこの棒の周りに水がバシャバシャ来ないと色が変わらないので注意しましょう。S・M・Lとサイズがあるのでご自身の鉢の深さに合わせて選びましょう。
鉢の深さの上から「50%〜60%(真ん中よりやや下)」の位置 にサスティーの先端(水分検知部)がくるように設置するのが理想的です。
要するに根っこが一番集中している部分の水分を測るということです。
土の表面が数日間ずっと湿っている
水やり後、3〜4日以上経っても土の表面が黒く湿ったままの場合は水やりの頻度や量が多すぎます。
水やりの頻度と量を見直してください。
土の表面にカビや白いコケ、生臭い匂いがある
土の表面に白っぽいカビが生えてきたり、鉢に鼻を近づけたときに湿った泥やドブのような生臭い匂いがする場合は、常に過湿状態になっています。
水やりの量と頻度を見直してください。
またドブっぽい臭いは根腐れの可能性が高いのでこのあと解説する根腐れの応急処置を行ったほうが無難です。
植物の根が酸欠で死んでしまい、それを水分過剰でよく繁殖する嫌気性菌が分解(腐敗)させるときに、あの独特の生臭いドブ臭が発生します。
鉢を持ち上げたとき「ずっしり」重い状態が続く
植物の給水スピードを水の供給スピードが追い越しています。
水のやりすぎですから水やりの頻度と量を見直しましょう。
水やり直後の重さと、土が乾いたときの重さを覚えておくのが一番確実です。
何日経っても重さが変わらない場合は、根が水を吸えていないか、土が保水しすぎています。
根腐れ・根詰まりの場合もありますのでこのあと解説する根腐れ・根詰まりの対策もご覧ください。
葉の先端から「水滴」が毎日大量に出ている(排水現象)
モンステラは根から吸い上げた余分な水分を葉の先端(水孔)から出す習性(滴涙現象)があります。
朝方に1〜2滴つく程度なら健康ですが、昼間になっても垂れ落ちるほど大量に出続けている場合は、根の周りに常に水がありすぎるサインです。
水やりの量と頻度を見直してください。
土は湿っているのに、葉がしんなり垂れて黄変している
「土が乾いて萎れている」のではなく「土が湿っているのに萎れている」なら、すでに過湿によって根が傷み始めている証拠です。
要するに根腐れの可能性が高いのでこのあと解説する根腐れ対策をご覧ください。
やりすぎない水やりはどうやるのか
モンステラの水やりの基本は、「しっかり乾かしてから、鉢底から溢れるまでたっぷり与える」というメリハリです。
たっぷり与えるのも重要で鉢底から水が溢れ出るまで注ぐことで、土の中にとどまっていた古い空気や老廃物を押し出し、新鮮な酸素を根に届けることができます。
一番良いのは鉢を定期的に持ち上げて、水やり直後の重さと水分がなくなって軽くなった重さを手に覚えさせることです。
冬だけ他の季節と違います。休眠時は特にやり過ぎに注意してください。生育が緩慢になるので水をあまり吸い上げない状態になります。
| 季節 | 生育状態 | 水やりのタイミング |
| 春〜秋 (暖かく成長する時期) | 活発 | 土の表面が乾いたら、さらに1〜2日待ってから与える。 ※風通しが良い場所なら、土の表面が乾いたらすぐでも OK。 |
| 冬 (15℃以下・成長が鈍化する時期) | 休眠期 | 土が完全に乾ききってから、さらに2〜3日置いてから与える。 ※ほぼ乾燥気味に保つことで、耐寒性も上がります。 |
難しいならサスティーなどで機械的に判断しても良いです。
鉢の深さの上から「50%〜60%(真ん中よりやや下)」の位置 にサスティーの先端(水分検知部)がくるように設置するのが理想的です。
要するに根っこが一番集中している部分の水分を測るということです。
正しい植え替え方法とおすすめの土
詳細は以下の記事をご覧ください。植え替え時期や気温の目安、植え替え後のアフターケアなど色々書いてあります。

簡単にまとめると以下のようになります。
準備するもの
- 新しい鉢(今の鉢より一回り=直径3cmほど大きいもの。同じ鉢に植えるなら根を2割切る)
- 観葉植物の土
- 鉢底石、鉢底ネット
- 清潔なハサミ(黒く傷んだ根を切る用)
植え替えの手順
- ① 株を鉢から抜く 土が乾燥しているタイミングで行うと抜きやすいです。抜けにくい場合は、鉢の側面を軽く叩いて(あるいは柔らかい鉢なら揉んで)隙間を作ります。
- ② 古い土を落とし、根を整理する 根鉢(根と土が固まった部分)を軽くもみほぐし、古い土を1/3ほど落とします。この時「黒く変色してスカスカになった傷んだ地中根」があれば、清潔なハサミで切り落としてください。白く硬い健康な根はなるべく傷つけないようにします。
- ③ 新しい鉢にセットする 新しい鉢の底にネットと鉢底石を敷き、少しだけ新しい土を入れます。その上にモンステラを置き、高さや向きのバランスを決めます。
- 気根の扱い: 長く伸びている気根があれば、この時に鉢の中にくるくると巻き入れるようにして一緒に土に埋めてしまうのがおすすめです。水分を吸収する強力な「地中根」へと変化し、その後の成長がよくなります。
- ④ 土を入れる 株の周りに新しい土を入れていきます。割り箸などで土を軽くつつきながら入れると、根の隙間にもしっかり土が入り込みます。
- ⑤ たっぷり水を与える 鉢底から濁った水が出なくなり、透明な水が流れ出てくるまで、たっぷりと水を与えて土内の微塵を洗い流します。
おすすめの土
観葉植物用の土なら基本的に大丈夫なのですが、無機質中心の土のほうがコバエがわきにくいのでおすすめです。
適切な鉢のサイズ
| 株の大きさ | 草体の状態の目安 | 適合する鉢のサイズ |
| 小株(幼苗) | ・葉の数が3〜5枚程度 ・葉にまだ切れ込みが入っていない(または入り始め) ・高さ20〜30cm程度 | 3.5〜4.5号 |
| 中株(標準的) | ・葉の切れ込みがしっかり出ている ・高さ40〜60cm程度 ・支柱がなくても自立、または小さめの支柱で立つ | 5〜6号 |
| 大株(大型) | ・葉のサイズが30cm以上あり迫力がある ・高さ70cm〜1m超 ・登はん用支柱(モスポール等)が必要 | 7〜8号(大型は9号〜) |
- 「葉の広がり(株幅)」の1/2〜1/3程度:上から見たとき、葉の広がりの直径に対して、鉢の直径が1/2〜1/3くらいに収まるサイズ
- 植え替え時は「今の鉢より一回り大きく(+1号)」:いきなり大きな鉢に植え替えない
- 「深鉢」よりも「標準鉢〜浅めの鉢」が安全:モンステラは根を深く伸ばすタイプの植物ではありません
根腐れの応急処置
根腐れを起こしている状態からのリカバリー方法です。
準備するもの
- 新しい清潔な土(観葉植物用の土や、赤玉土・軽石などを混ぜた水はけの良い無菌の土)
- 新しい鉢(現在の鉢より一回り小さめ、または通気性の良いスリット鉢)
- 剪定ハサミ(アルコールや火で消毒しておきます)
- ビニールシート・新聞紙(作業用)
やり方
株を優しく抜き、根の周りについた古い土を崩しながら落とします。菌が残っているため、水で根を軽く洗い流して状態が見えやすいようにします。
- 黒・濃い茶色に変色している根
- 触るとブヨブヨ・ズルズルしている根
- 引っ張ると皮が剥がれて糸のようになる根
これらを消毒したハサミでためらわずにすべて切り落とします。白〜薄ベージュ色で硬さのある健康な根だけを残してください。
根を大幅に切ると、水を吸い上げる力が一気に落ちます。そのまま大きな葉がたくさん残っていると蒸散(水分補給)に耐えきれず枯れてしまうため、傷んだ葉や古い下葉を数枚カットして葉の量を減らします。
- 古い土は再利用せず処分します。
- 根が減った分、土の量が多いと乾きにくくなるため、一回り〜二回り小さめの鉢を用意します。
- 鉢底石をしっかり敷き、水はけの良い新しい土で植え付けます。
置き場所(光と風):直射日光を避け、明るい日陰で風通しの良い場所に置きます。エアコンの風が直接当たる場所はNGです。
最初の水やり:植え替え直後は根の切り口をなじませるため、1〜2日置いたから水やりを行うか、直後に与える場合は軽く湿らせる程度にします。その後は「土の中までしっかり乾いたのを確認してからたっぷり与える」サイクルを徹底します。
肥料・活力剤は絶対に与えない:弱っている根に肥料を与えると「肥料焼け」を起こして止めを刺してしまいます。新芽が動き出すまでは水と空気(風)だけで養生させてください。
葉水で水分補給:根から水を吸う力が落ちているため、毎日霧吹きで葉全体に水分(葉水)を与えて乾燥を防ぎます。
※根が全滅していたり、株元の茎まで柔らかくなっている場合は、根からの回復は不可能です。
その場合は、元気な茎の節(気根が付いている部分)の上でカットし、「水挿し」や「茎伏せ」に切り替えて新しい発根を待つ(仕立て直す)のが妥当なやり方になります。


まとめ
今回はモンステラの水をやりすぎるという話題に対して、どうやって水のやりすぎを判断するのか、やりすぎない水やりはどうやるのかという話をしました。
根腐れと関係が深いのでそこも考えながら適切にケアしていきましょう。

