今回はモンステラの葉が枯れる原因と対策について解説します。
葉は色々な原因で枯れます
枯れないように気をつけても次第に葉が枯れていく場合もあります。
枯れた後のケアの仕方は以下の記事で解説しました。

ここからは枯れる原因と対策について解説していきます。
葉焼け
葉の先端や周りから葉が枯れて茶色になっていきます。
葉焼けについては以下の記事で解説しました。

葉焼けのメカニズムは以下となります。
- 光合成を行う葉のキャパシティを超えた光の照射
- 余剰の光が葉っぱ内部で活性酸素に変わる
- 活性酸素が葉の細胞を攻撃して細胞が死ぬ
- 死んだ細胞の部分が葉焼けとなって焦げたような見た目になる
斑入りと斑なしで推奨される光量は変わるのですが概ね以下のようになります。
- 斑入り:5,000 〜 6,000 lux(南向き・東向きの窓辺から「1mほど室内に入った」場所、レースのカーテン越し(2重レースや遮光率40〜50%)の窓際)
- 斑なし:10,000 〜 15,000 lux:南向き・東向きの窓際(レースのカーテン越し、または遮光なし)
屋外で育成できなくもないですが、対象は主に斑なしで、しかも直射日光が当たらない場所となります。
直射日光が無理というのは以下の記事で解説しました。

また光量が低すぎても光合成できずに弱っていくので、適切な光量で維持するというのも重要です。
光量が足りているか不安なときは照度計を一個持っておくと安心です。
根腐れ
主に水やりのしすぎによって発生します。
土が常に湿った状態が続くと、根が酸素不足になって腐り、葉が黄色や茶色に変色して枯れていきます。
- 冬場に水をやりすぎる
- 受け皿に溜まった水を捨てない
冬は根が水を吸い上げる力が落ちて春から秋のペースで水やりすると根回りが過剰湿度になって根腐れします。
冬は土の表面がカラカラに乾き、さらに鉢を持ち上げて「中まで完全に軽くなっていること」を確認します。そこからさらに2〜3日(冷え込みが厳しい時期は4〜5日)待ってから水やりをします。
冷たい水は根を痛める原因になるので、しばらく室内に置いて常温(15℃〜20℃前後)に戻した水を与えます。
夜間に冷え込む管理をしている場合、夕方から夜に水やりすると鉢の水分が冷え込んで根にダメージを与えるので、午前中から昼までに与えます。
ただ、春夏秋の状態でも根腐れになる場合もあります。
根腐れは、単に「水が多すぎる」だけで起きるわけではありません。本質は「根の酸素不足(窒息)」と「嫌気性(けんきせい)細菌の繁殖」です。
植物の根は、水分だけでなく酸素も吸って呼吸しています。
土が常に水で満たされていると、隙間の酸素がなくなり、根が窒息死します。
そこに、酸素を嫌う腐敗菌(嫌気性細菌)が繁殖して、死んだ根を腐らせ、健康な根にまで感染が広がっていくのが根腐れの正体です。
春の根腐れ
- 気温が上がってきたばかりの状態はまだ休眠から覚めきっていない場合が多いです。この時期に暖かい時期と同じ水やり量に急に戻すと給水が追いつかず根腐れします。
- 春先に植え替えて根が伸び切る前に水やり量が多すぎると、根からの給水が追いつかずに根腐れします。
対策は、鉢を持ってみて軽くなってから、鉢底からザーザー流れるまでたっぷり与えます。
受け皿の水は放置しないでちゃんと捨てましょう。下が水で埋まると要するに鉢の下のほうが水で浸かり続ける状態になるので酸欠になりやすくなります。
また、私の経験上、「根を増やす」ことで成長が始まるというのもあります。ちょっとこの話もさせてください。
過去記事で気根を強制的に水苔で伸ばすというのをやりました。


成長しない気根に水苔を巻いてあげて、サランラップで蒸発を防ぐとしばらくしてから気根が伸びてきます。
それから数週間経ったあとのこのモンステラの様子ですが、なんと春になってから全く成長していなかったのに新しい葉が出ていました。

根が成長すると以下のような恩恵があります。
- 単純に水と栄養を今まで以上に吸えるので、葉を出すエネルギーが溜まった
- 根の先端からは葉の成長を促すサイトカイニンというホルモンが作られます。根が増えたことで植物中のサイトカイニン濃度が高まり、新芽を出す司令が出た
そしてこの状態がなぜ根腐れに対して有効かというと以下のような話になります。
- 単純に水を吸い上げる力が上がるので根回りが過剰湿度になりにくい
- 新しい葉からは蒸散が活発に行われる(今回の話で言えば葉っぱ2枚だったところが3枚になるわけで単純に1.5倍の能力になる)。すると蒸散は根から水を吸い上げる駆動力なので根から水を吸い上げる量が増えて過剰湿度になりにくい
気根を誘導して地中根にしてたくさん地中で増やすとこのような恩恵によって根腐れから遠のきます。
春になってからなんだか動きがない株だなと思ったら、このように気根に対してアプローチしてみると進展がある場合があるわけです。
夏の根腐れ
- 直射日光を植木鉢に当てることで鉢内が高温になり、鉢の中の水分が高温になって根にダメージを与えることで根が腐る
- 風通しが悪いと蒸散がうまくいかず、根から水が吸い上げられないので、この状態でさらに夏だからとたくさん水やりすると過剰湿度で根腐れする
まず直射日光は再三ダメですよ、と当サイトでは言ってきましたが、それでも当てる、特に植木鉢に直接直射日光を当てるようなことをすると、植木鉢の中が高温になりすぎて、内部の水分を温めすぎて、それが根にダメージを与えて根腐れします。
また閉め切った室内で風がないような環境で維持していると、蒸散が活発に行われず、根から水を吸い上げられずに根腐れします。
室内ならたまに換気するとか、サーキュレーターで葉っぱ1、2枚がゆらゆら揺れるくらいの優しい風を送って蒸散を活発にすることを推奨します。
とにかく安く済ませたいならAmazonベーシックが安いです。
ただもうちょっと出せばDCモーター式の消費電力がかなり抑えられたモデルもあります。
またもし株数が少ないならUSBファンで十分です。
秋の根腐れ
秋は次第に空間温度が下がっていき休眠に入る時期です。だいたい最低室温15℃を下回り始めたら休眠に入っていくので、水を吸い上げる能力が落ちていきます。
この時期に水をあげすぎると根腐れします。
植木鉢が軽くなってから水やりするという基本を忘れないようにしましょう。
根づまり
植え替えをせずに長期間育成すると、根が増えすぎて根づまりを起こします。鉢の下やスリットから根が出ている場合、水分や養分をうまく吸い上げられなくなり葉が枯れることがあります。
植え替えするのが解決法ですが、植え替え先の鉢が大きすぎると問題が起きます。
現在の鉢よりも「一回り大きいサイズ」が鉄則です。
大きすぎる鉢の場合、根の量に対して土が多すぎて、水やりのたびに根周り以外の部分の土が常に湿った状態になるので、過剰湿度になって根腐れします。
現在の鉢より「1号(直径が3cmプラス)」大きいものを選ぶと良いでしょう。
現在のサイズをキープしたい時は、同じ号数の鉢を用意します。古い根や長く伸びすぎた根を1/3ほど整理し、古い土を落として新しい土で植え直します。
根の切り方は以下の記事でも扱っているので参考にしてみてください。黒いブヨブヨした部分を切るのを優先させて、健康な部分は全体の30%以下の量を切るというルールを守りましょう。

肥料焼け
肥料を与え過ぎたり、肥料の濃度が高すぎると根がダメージを受けてその影響が枯れとして葉っぱに出ます。
液体肥料で管理するのが簡単ですが、液体肥料(液肥)による肥料焼けを防ぐための最も重要な鉄則は、「ケチるように薄く使い、与えるときはたっぷりと流す」ことです。
肥料焼けを絶対に防ぎたい場合は、規定の1.5倍〜2倍近く薄めて(例:1,000倍指定なら1,500〜2,000倍に薄めて)与えてください。
通常の水やりのときのように鉢底から水が出るまでザーッと与えます。受け皿の水は捨てます。
できれば以下のようにある程度土を湿らせてから与えたほうがいいです。
- まず普通の水を与えて、土全体と根をしっかり湿らせる(目を覚まさせる)。
- その1〜2時間後、または翌日など、土がまだ十分に湿っているタイミングで薄めた液肥を与える。
カラカラに乾いている状態で液肥を与えると、水と一緒に肥料を吸い上げすぎて細胞が破壊される場合があります。
以下液肥を与えてはいけない状況です。
- 冬場や、夏の猛暑日: モンステラの成長が停滞・ストップしている時は、肥料を全く吸収しません。土の中に成分が残り続け、根を傷めます。
- 植え替え直後(約2週間〜3週間): 植え替えで根が傷ついているため、この時期の肥料は厳禁です。根が新しい土に馴染むまでは真水だけにします。
- 株が弱っているとき: 葉が黄色くなっている、根腐れ気味など、元気が無いときに「栄養をあげよう」と肥料をやるのは逆効果です。人間が胃腸炎のときにステーキを食べるようなもので、トドメを刺すことになります。
寒さ
基本的にモンステラは15℃以下で休眠が始まり、10℃以上をキープしないと枯れます。
冬は置く場所の変更やヒートマットなどによる保温が必要です。特に日中日が当たるからといって、窓辺に置くと、窓辺は最も冷え込む場所ですから、夜の最低室温を維持できなくて枯れることが多いです。
以下モンステラの保温に関して参考になりそうな記事です。


乾燥
モンステラは本来、高い湿度を好む植物です。エアコンの風が直接当たる場所や、冬の乾燥した部屋に置くと、葉の水分が奪われて先端から茶色く枯れ込んできます。
モンステラとエアコンについて解説した以下の記事もご覧ください。

だいたい以下のような湿度管理が必要です。
- 斑なし:50% 〜 60%(一般的な室内の湿度で十分)
- 斑入り:55% 〜 65%(乾燥による斑の痛みを防ぐライン)
冬は加湿器などで対策しましょう。
葉水も多少効果がありますが、基本的に30分くらいで効果が切れるので、加湿器と併用したほうが無難です。葉水はどちらかというとハダニやカイガラムシ予防の側面が強いです。詳しくは上のエアコンの記事をご覧ください。
急な環境変化
購入直後や、急に屋外から室内(あるいはその逆)へ移動させた際、その環境変化についていけず、一時的に葉を落としたり枯らしたりすることがあります。
目安として1〜2週間かけて段階的に移動させます。
- ステップ①:移動させる時間から始める(最初の3〜4日):いきなり新しい場所に1日中置くのではなく、「数時間だけ置いて、元の場所に戻す」という行動を数日繰り返します。
- ステップ②:段階的に環境を近づける(次の3〜4日):徐々に新しい場所に置く時間を延ばしていきます。また、場所を物理的に少しずつ近づけていくのも効果的です。明るい場所への順化の場合「直射日光が最もきつい時間帯(11時〜15時)」だけは遮光するか日陰に避難させます。
- ステップ③:完全移行(1週間〜10日後):植物がしおれたり、葉が黄色くなったりするサインがなければ、完全に新しい場所へ定置します。
移動前後はエネルギーを使うので一時的に株が弱ります。肥料は控えてください。移動させる1週間前〜移動後2週間は、肥料や活力剤は与えず「真水」だけで管理します。
水やりも以下の注意点を守りましょう。
- 室内から屋外へ: 急激に土が乾くようになるため、水切れに注意。
- 屋外から室内へ: 土の乾きが極端に遅くなるため、これまでのペースで水をやると一発で根腐れします。
- ケア: 移動後2週間ほどは、これまで以上に慎重に鉢の重さを確認し、「しっかり乾いた」のを確認してから水やりをします。
まとめ
今回はモンステラの葉が枯れる原因と対策について解説しました。
枯れる原因は色々あるので、ご自身の環境に照らし合わせて参考にしてみてください。
