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トマトの樹勢(草勢)が強すぎるとき【肥料や光合成を調整する】

今回はトマトの樹勢(草勢)が強すぎるときの対応をまとめます。栄養成長と生殖成長の話もします。

目次

トマトの樹勢が強いときの症状

以下の写真は比較的正常な樹勢(やや弱い)のトマトです。生殖成長と栄養成長のバランスが取れている。

次が樹勢が強すぎるトマト。生殖成長寄り。

樹勢に関して注目すべきは茎の太さ。開花花房下の茎が10mmより太ければ樹勢が強い、細ければ弱いと判断できます。

また生殖成長と栄養成長の区別の場合、開花花房高さ15㎝程度より長ければ栄養成長、短ければ生殖成長優勢と判断できます。

参考:埼玉県, 大里農林 振興センターだより

ここで生殖成長と栄養成長は以下のようなものです。

  • 生殖成長:実をつけそれを大きくする成長
  • 栄養成長:実ではなく茎や葉を優先して大きくさせる成長

開花花房高さというのは生長点から開花している花房までの茎の長さです。詳しくは上の埼玉県のサイトを参照してください。

このことから上の一枚目の写真は開花花房高さが15cm程度、茎が細目なので生殖成長・栄養成長のバランスが良く、樹勢やや弱い、二枚目の写真は開花花房高さが短く、茎が太いので生殖成長寄りで樹勢が強いと判断できます。

樹勢が強い・栄養成長だと何がまずいのか

樹勢が強い・栄養成長寄りの場合、茎や葉ばかりトマトは成長させようとして実がつかない状態となります。

また樹勢が弱いとこれも実をつける体力がないので実がつきません。

つまりトマトでは樹勢は強すぎるとダメだし、生殖成長と栄養成長のバランスをよく管理するほうが実が多くついて良いとなります。

なぜ樹勢が強くなったり、栄養成長に傾くのか

樹勢(草勢)が強くなる理由

樹勢(草勢)に関しては強すぎる場合、一般に以下の原因が考えられます。

  • 肥料が多すぎる(特に窒素・カリウム)
  • 光合成をしすぎる

肥料が多ければ栄養がたくさんあるからトマトは自身を大きくすることに栄養を使います。

また葉が多かったり、日光に当たる時間が増えるとこれも光合成によって製作される栄養によってトマトは自身を大きくしようとします。

実際私の家庭菜園でも、樹勢が強くなってきたのは、トマトに元気がないからと化成肥料をまいた後に梅雨が明けて日光に当たる時間が増えた後でした。

茎が太くなっていき、二番目の写真のようになりました。

窒素は茎や葉に効く栄養で、カリウムは根に効く栄養です。これら二つが多量だと、茎と葉が大きくなりすぎて、根が良く張るので養分吸収能力が上がり結果植物体が大きくなりすぎます。

栄養成長に寄る理由

栄養成長に寄る場合、一般に以下の原因が考えられます。

  • 昼夜の温度差が小さい
  • 摘果多すぎ

トマトは昼夜の温度差が小さいと栄養成長寄り、大きいと生殖成長寄りになります。

猛暑日の日が増え、昼夜の温度差が大きくなった(昼温が高すぎる)のが二番目の写真のように生殖成長寄りになった原因かもしれません。

また摘果をしすぎると実にいくはずだった栄養が茎や葉の成長に回ってしまうので、栄養成長に傾きやすいと言えます。

樹勢が強く栄養成長寄りのときの対策

以下の対策が有効と考えられます。

  • 樹勢が強すぎるなら追肥を少なくする
  • 樹勢が強すぎるときに水分が多いと光合成しすぎるので水やりを多くやりすぎない
  • 樹勢が強すぎるなら生長点近くの脇芽をあえてしばらく伸ばす
  • 樹勢が強すぎるなら葉かきを下葉から少しずつ実施する
  • 栄養成長寄りなら、昼夜の温度差を大きくする
  • 栄養成長寄りなら摘果は控えめにする

露地栽培の場合、昼夜の温度差は変えにくいので、摘果を減らすとか樹勢管理が主となると思います。

また潅水量を多くしすぎないのは、光合成では水と二酸化炭素から酸素と糖類を作るからです。

水が多ければそれだけ光合成の材料が多くなり、たくさん光合成して樹勢が強くなりやすくなります。

ただし二番目の写真のように、生殖成長寄りで樹勢が強い場合、潅水量は通常通りでかまいません。栄養成長寄りで樹勢が強い場合は潅水量を減らすのが有効です。

参考:山口県, イチゴ・トマトにおける「農の匠」栽培管理の特徴と環境制御の基本設定マニュアル

なお脇芽を伸ばすのは植物体で消費する養分を分散させ、生長点付近の枝に回る養分を減らすためです。

脇芽を取りましょうと家庭菜園の教科書などには書かれていますが、これは実に行く栄養を脇芽が消費してしまうのを防ぐためで、樹勢がちょうどいいなら脇芽を取るでいいのですが、植物体に栄養が有り余っているときは逆に脇芽を伸ばしたほうが樹勢がコントロールしやすくなります。

樹勢がコントロールできたほうが結果的に実つきがよくなり収量が上がります。

もちろん樹勢が適切な状態になったら伸ばした脇芽は取ってもよいです。いきなり二本仕立てに移行させると養分が分散されて実が小さくなったりするので、適切なタイミングで伸ばした脇芽を摘んだほうが良いと思います。

また葉かきは光合成を少なくする手段ですが、やりすぎると光合成能力が小さくなりすぎてトマトが枯れてしまうので、下のほうの葉から少しずつ様子を見て行いましょう。

葉かきでどの葉を切っていいかなどは以下にまとめました。

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まとめ【トマトは樹勢や栄養成長・生殖成長のバランスが大事】

今回はトマトの樹勢が強すぎることに関して解説しました。

樹勢や栄養成長・生殖成長のバランスをうまくとって収量を安定・増量できるよう頑張りましょう。

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