今回はモンステラの茎伏せにメネデールを使うときのメリットや使い方を解説します。
メネデールの効果
二価鉄が効く
メネデールとは鉄イオンを二価鉄の形で供給する植物活力素です。
鉄イオンは植物に必要な栄養素の一つですが、基本的に三価鉄の状態で自然界に存在し、三価鉄は水に溶けにくく植物が直接吸収しにくい形です。
これに対して二価鉄というのは水に溶けやすい形態の鉄イオンで、これが植物の根から鉄イオンを吸収しやすくし、植物が健康になるというのがその効果です。
通常二価鉄は空気に触れると酸化して三価鉄にすぐ変わってしまうのですが、メネデールは独自技術で二価鉄の周囲をガードするような成分配合で酸素が二価鉄に触れないようにガードしていると言われています。
実際メネデールがこれだけ販売されているわけですから、ちゃんと効くのでしょう。つまり二価鉄のまま鉄イオンを植物に届けている証明になりますね。
そもそも植物にとっての鉄イオンの役割とは
そもそも鉄イオンが植物の何に効くのかというと以下となります。
- 葉緑素(クロロフィル)の生成: 鉄自体は葉緑素の構成成分ではありませんが、葉緑素を体内で合成する酵素が働くために二価鉄が絶対に欠かせません。鉄が足りないと新芽が白っぽくなる「白化現象(クロロシス)」が起きます。
- 光合成と呼吸(エネルギー生産): 植物が光エネルギーを化学エネルギーに変換したり、酸素を使って呼吸したりする際の「電子伝達系」という代謝プロセスで、鉄イオンが電子の受け渡し役を担っています。
- 活性酸素の除去: ストレス(切断など)によって細胞内に発生する有害な活性酸素を分解する酵素(カタラーゼなど)の活性化に必要です。
茎伏せのときにメネデールを使う意味
茎伏せのときにメネデールが推奨される理由は主に以下のようなものです。
- 切断面の細胞の呼吸(エネルギー代謝)を高める
- 新たな「根(不定根)」を押し出すエネルギーになる
- 切断面の「自己防衛(カルス形成)」を助ける
根のない茎は、自力で水分や養分を吸い上げる力がほとんどありません。
しかし、メネデールに浸すことで、水に溶けた二価鉄が切断面から浸透圧や毛細管現象によってダイレクトに吸収されます。
吸収された二価鉄は、細胞内のミトコンドリアでの「呼吸(エネルギー生産)」を急激に活性化させます。これにより、茎が生き残るための基礎代謝が維持されます。
二価鉄によってエネルギー代謝がブーストされるため、細胞分裂が促進され、発根までのスピードが早くなります。
またカットされた茎は、傷口から雑菌が入るのを防ぐために、切断面の細胞を変化させて「カルス(未分化の細胞塊)」という組織を作り、傷口を塞ごうとします。
組織修復のプロセスにも鉄を必要とする代謝酵素が深く関わっています。このカルス形成のときに必要なのが鉄イオンであり、それを吸収させることで傷口が早期にふさがり茎からの雑菌の侵入を防いでくれることで茎が腐ったり黒くなったりするのを防ぎます。
茎伏せで茎が黒くなったり腐るということに関しては以下の記事で解説しています。

茎伏せのときにメネデールを使う方法
ここからは具体的な茎伏せのときのメネデールの使い方を解説します。なお切り口の消毒はメネデールだけだと不安なので当サイトで推奨するトップジンMペーストを併用する方法を解説します。
手順
ジップロックに茎伏せする茎をバラバラと入れます。
次に100倍(水1Lに対してメネデール10ml)希釈のメネデール水(メネデール+水道水)をジップロックに詰めます。
完全にタプタプにする必要はありませんが、茎全体が浸るくらいのメネデール水を入れましょう。
ジップロックの空気をできるだけ抜いてからジップロックのチャックを閉めて1時間放置します。
ジップロックから茎を取り出して風通しの良い日陰で切り口がサラッと乾くまで数時間乾かします。
切り口にトップジンMペーストを原液のまま塗り、ペーストが完全に透明〜固まるまで(半日〜1日程度)しっかり乾かします。
乾燥させている間に、乾燥水苔をメネデール希釈液(100倍(水1Lに対してメネデール10ml))に浸して戻します。その後、手でギュッと強めに絞って、「水分は含んでいるけれど、握ってもボタボタ水が垂れない」くらいの理想的な湿度にします。
その水苔の上に、トップジンが完全に固まったモンステラの茎を伏せます。横向きに茎を並べて茎の下半分が水苔に埋まるくらいで伏せましょう。
なお茎伏せのときの環境整備や湿度の理想値などは以下の記事で解説しているので参考にしてみてください。使う道具なども書いてあります。

手順の背景知識
なぜ上の手順が良いのかという話をします。
まずジップロックに浸すのは茎の切り口が余すことなく全部メネデールを吸えるようにするためです。
中途半端に浮いていたりすると切り口の下半分だけしか吸えなくて効果が半減します。
少ない水量で全体が浸るジップロックなら最小のメネデール水で最大の効果を得ることができます。
なお茎伏せでビシャビシャにして伏せるのは雑菌が入って良くないですよ、と過去記事で解説しました。それが以下です。

この中でのビシャビシャで伏せるというのはずっとビシャビシャ、ヒタヒタの状態で茎を数日放置するくらいのことを言っています。
今回ジップロックで給水させるのはせいぜい1時間です。
このくらいの期間水に浸しても茎の内部の酸素はなくならないため、嫌気性の雑菌などはほぼ入ってきません。
そもそも水道水の塩素によってかなり雑菌がいない水でメネデール水を作っているので雑菌のリスクはほぼありません。
また茎伏せ用の茎をメルカリなどで購入した際は輸送の過程で乾燥してシオシオになっている茎も結構あるので、それに水分を取り戻させるという意味合いもあります。
ジップロックで給水した後に乾燥させてからトップジンMペーストを塗るのもポイントです。
濡れた切り口にトップジンMペーストを塗っても薬液が水で溶けて流れてしまうので、乾燥を挟まないと効果が出ません。
そしてトップジンMペーストを塗ってからさらに薬液を乾燥させるのも重要です。
未乾燥の薬液を濡らした水苔に付けるとそこから薬液が流れて効果がなくなります。
トップジンMペーストは、乾くことで「かさぶた(人工樹皮)」のような硬い被膜を作り、水分や雑菌をシャットアウトします。
ところで基本的にメルカリで買った茎を切り口にトップジンMペーストだけ塗って乾かしてから水苔で茎伏せしてもうまくいくことは多いです。
しかしながら斑入りモンステラなどの場合、斑の白い部分は光合成ができないので、そもそもの茎が持つエネルギーが少ないという難しさがあります。斑入りモンステラの茎って細くて強そうじゃないものが多いです。
ここにメネデールによって代謝を活発にさせてあげると、少ないエネルギーでゆっくり芽を出しているうちにエネルギー切れで時間切れでシオシオになって終わる前に芽を出すことができ、先行逃げ切り状態にできて成功率が上がるわけです。
まとめ
今回はモンステラの茎伏せにメネデールを使うときのメリットや使い方を解説しました。
メネデールとトップジンMペーストの合わせ技で成功率は結構上がるので、参考にしてみてください。
特に斑入りモンステラなどの細めの茎なんかだとメネデールの効果は結構出てくると思います。

