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イチゴの病害虫【防除方法(家庭菜園向け)】

今回はイチゴの病害虫の種類と対処方法について解説します。

イチゴは非常に病害虫に弱く、色々な防除を行わないと簡単にやられます。

農家の促成栽培レベルはかなり複雑なので家庭菜園レベルでの対処を解説します。

目次

かかると致命的な病気

一度発病すると治療が困難で株ごと枯死する病気です。

炭疽病

イチゴの教科書に何度も登場する致命的な病気です。

葉柄やランナーの一部が黒く凹み、しおれて枯れます。クラウン(株元の成長点)を切ると、断面が赤褐色に変色しています。特に夏の育苗期に発生しやすく、親株から子株へ全滅のリスクがあります。

育苗期に感染した株が定植後に発病して次々に感染して枯死していく非常に危険な病気です。

発病すると黒く腐ります。

家庭菜園レベルの治療薬はないので、以下の対策をするしかありません。

  • 黒く腐る株を見つけたらその株は廃棄して土も再利用しない(どうしても使いたいときは後述の太陽熱消毒を参照してください)
  • マルチ(黒ビニールやアルミ保温シート、ワラなど)を敷いて泥はねを防ぐ
  • そもそも苗を購入するときに葉が青々としたクラウンが太い元気な苗を選んで購入する

クラウンに泥や水経由で菌が侵入して感染が広がります。できるだけマルチを張って泥はね経由で感染を広げないお世話をして、水やりも株の周りにそっとかけるようにします。

他の病気の温床にもなるので古い葉をこまめに取るのも大切です。

一応プロの農家の防除方法も載せておきます。育苗期が重要です。

  • 雨よけ育苗
  • 底面給水などで泥はねを防ぐ
  • 発病株は見つけ次第、周囲の土ごと廃棄
  • アミスター20フロアブル・ベルクート水和剤・ゲッター水和剤などをローテーションさせる

クラウンに水や泥経由で侵入するので、雨よけ育苗と底面給水などで泥はねを防ぐのが基本です。

萎黄病

病原菌(フザリウム菌)によって引き起こされます。

新しい葉が黄緑色になり、ねじれて小さくなります(舟形になる)。根が侵され、最終的に枯れます。土壌伝染するため、一度出るとその土は汚染されます。

家庭菜園レベルの治療薬はないので、病気の株を見つけたらその株は廃棄して土も再利用しないのが重要です。

疫病

根腐れを起こし、株全体が青枯れ(緑色のまましおれる)します。水はけの悪い場所で多発します。

水やりを適切に行うのが重要です。

高うねにして水はけをよくし、マルチを敷いて土壌からの泥はねを防止します。

炭疽病・萎黄病・疫病の土壌消毒

プロはクロルピクリンくん蒸剤などを使用して土壌消毒します。炭疽病・萎黄病・疫病すべてに有効です。

とはいえ家庭菜園ではそこまでできないと思うので、ソーラークッカーを利用した方法をご紹介します。

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詳しくは上の記事でやっているのですが、ある程度密閉した太陽に向かった面が透明の容器や器具に100均のガラス瓶に黒い焼き芋用のアルミホイルを巻いて、瓶の中に土を入れておきます。

3月くらいの晴れの日4時間くらいで63℃まで上がるので炭疽病・萎黄病・疫病すべて熱で殺菌できます。

各病原菌の死滅温度とその死滅温度をどのくらい維持するかというのは以下となります。

  • 炭疽病:50〜55℃で死滅。10分以上高温を維持すること
  • 萎黄病:60℃で死滅。30〜60分高温を維持すること
  • 疫病:55℃以上で死滅。30分以上高温を維持すること

植物病原菌の多くは60℃を超えるとタンパク質が変性して死滅します。3月の晴れの日で63℃まで上昇するので、だいたい土壌殺菌をする定植前の9月ころのまだ暑いときの日差しなら65℃以上行くでしょう。

むしろ温度が上がりすぎて困る事態になります。

とはいえ85℃くらいまで上昇しないならマンガンなどの微量元素が溶け出しすぎて害になることも無いので、大きな問題にはならないと思います。

心配なら実験用に一つ瓶を使って温度をある程度瓶が温まってから測って確認しながら進めるといいでしょう。温度が上がりすぎるならちょっと日光から外すとか不織布などで一時的に弱く遮光するなどすると良いです。

最もちょうどよいのは65℃〜70℃なので、そのくらいの温度が1時間維持できていれば安心です。

これは真空管式のソーラークッカーだと温度が上がりすぎるのでガラス瓶とちょっとした断熱空間の組み合わせがちょうどよいです。

また土はある程度湿らせてから瓶の中に入れてください。乾いた土は熱伝導が弱いので、土の奥底にいる菌まで高温が届かず殺菌が中途半端になって意味がなくなります。湿った土なら熱い蒸気が土の奥まで届いて殺菌できます。

ソーラークッカーの容量が小さいので限定的な量の土にしか使えませんが、家庭菜園で植木鉢数個の土の殺菌なら十分できるでしょう。

消毒後の土は多くの菌が死滅した「無防備」な状態です。

そのままそのへんの土の上に広げるとすぐ別の病害虫にやられるので、消毒後の土は清潔な袋に入れて保存するか、すぐに使い切りましょう。

土を移動させるスコップも消毒していないものはセンチュウとか病害虫がついているので消毒したものを利用します。

スコップの消毒方法は以下です。

まずはその1。沸騰消毒です。

  • 泥をきれいに洗い落とす
  • ヤカンで沸騰させたお湯(100℃)を金属部分にゆっくりかける
  • 冷めるまで待つか、清潔な布で拭く

その2。塩素消毒。

  • バケツにハイターをキャップ1杯入れる
  • よく洗ったスコップを数分間浸す
  • 必ず水でよく塩素を洗い落とす。塩素は金属をサビさせるため

その3。アルコール消毒

  • 泥をきれいに落としたスコップにアルコール除菌スプレー(エタノール70%以上)をビショビショになるまでスプレーする
  • 乾くまで待つか、きれいな布で拭き取る

サビの心配がない方法1と3あたりがおすすめです。持ち手もアルコールかハイターで消毒するとなお良いです。

古い土を再利用するなどの場合に一度太陽熱消毒(65℃くらいで1時間維持)をするとかなり安心です。

その他の病害虫

致命的な病害虫以外にも対処しないといけないものは多くいます。

うどんこ病

葉や果実に白い粉(カビ)がつきます。このカビは空気感染で広がります。

果実に付けば商品価値がなくなり、葉に付けば栄養を吸い取られて株が弱ります。

20℃前後の環境が好適で、ハウスの促成栽培で頻出します。

風通しが悪いと発生しやすいため、古い葉を除去することを徹底する(古い葉は病気の温床です)、感染株が多いなら換気するのが重要です。

防除資材としてはカリグリーンなどを利用すれば発生後の治療に使えます。

灰色かび病

果実がブヨブヨになり、灰色のカビが生えます。湿気が多いと多発します。

枯れた葉などが温床になります。

症状の出た葉や果実は除去して処分します。

本病は、気温15~23℃かつ湿度85~90%以上の高湿度条件で発生が多くなる。

佐賀市, 施設果菜類における灰色かび病の防除対策の徹底について

イチゴの湿度管理については以下の記事もご覧ください。80%以下くらいの湿度で管理するのが良さそうです。

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薬剤はプロ向けなのは色々ありますが、とりあえず家庭菜園ならカリグリーンあたりが効果があるのでおすすめです。

ハダニ類

葉の裏に寄生し、葉の色が抜け(カスリ状)、ひどいとクモの巣を張ります。

虫ではなく蜘蛛の仲間(ダニ)なので普通の殺虫剤で死滅しません。ダニ用の防除剤が必要です。

家庭菜園レベルならアーリーセーフやカダンセーフを利用するのが簡単です。

ハダニは葉の裏にいるので葉の裏がビショビショになるまで薬剤をかけてください。

蜘蛛の巣が張った葉や色が抜けた葉はもう諦めて切り取ったほうが速いし確実です。

もう蜘蛛の巣が張りまくって進行してしまった株はコロマイト乳剤を一回だけ使ってリセットするのも手です。

アブラムシ

新芽や花につき、ウイルス病を媒介することもあります。葉の汁を吸い取って葉をダメにします。

家庭菜園レベルならガムテープである程度取り除くことが可能です。

家庭菜園レベルの薬品ならベニカXガード粒剤やベニカナチュラススプレーなんかがいいんじゃないでしょうか。

センチュウ類

イチゴの根に寄生して栄養を吸い取ります。イチゴの収量が減ります。生育も悪くなり最悪枯れます。

土壌消毒くらいしか対処法が無いです。

高温に弱いので50℃で20分くらい維持すると死滅します。

上でご紹介したソーラークッカーでの消毒で65℃以上で1時間くらい殺菌すればほぼ死滅します。

イチゴをプランターに植えるシーズンになったらやってみるといいでしょう。

家庭菜園で持っておくと安心なスプレー

ハダニ、アブラムシ、うどんこ病に使えてイチゴにも使えるものでおすすめなのがベニカマイルドスプレーです。ただイチゴにこの薬剤を使うと高温で薬害が出るので、25℃以上のハウスでは使わない、使うなら早朝の涼しい時間帯や夕方に使うなど工夫してください。

一本持っておくと色々使えて便利です。収穫前日まで使えます。

自然派ならベニカナチュラルスプレーもおすすめです。ハダニ、アブラムシ、うどんこ病に使えます。食べる直前まで何度でも使えます。高温での薬害などの注意はないので、こっちのほうが使いやすいかもしれませんね。

まとめ:イチゴの病害虫対策

今回はイチゴの病害虫の種類と対処方法について解説しました。

イチゴに適切な病害虫予防をしてあげて収穫を確実に行えるよう頑張りましょう。

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