今回はモンステラの植え替えのときの根っこの扱い方について解説します。
モンステラの根には2種類ある
モンステラには以下の2つの種類の根があります。
- 気根
- 地中根
気根の役割
気根には主に以下の3つの役割があります。
- 付着根:支柱などに絡まって植物を支える役割
- 支柱根:地面に到達して下から植物体を支える役割
- 吸収根:水分や養分を吸収する役割。空気中の高い湿度から水分を吸収
地中根の役割
地中根には主に以下の役割があります。
- 水分とミネラル(養分)の積極的な吸収。気根が地中に到達して発生した根毛もこれにあたる
- 植物体の固定。根でしっかり植物体が倒れないようにする
- 成長ホルモンの合成。このホルモンが「葉を作れ」などの司令を出す
- 養分の貯蔵。根に一時的にデンプンなどの養分を貯めて冬越しなどに使う
一般に気根が地中に到達して根毛を出すと吸い上げる水や養分の量が増えて成長スピードが上がります。
モンステラの植え替えのときに根を切るとどうなるか
植え替えに時に根を切るとどうなるか状況別に解説します。
気根を切ると…?
パターンA:伸びすぎて邪魔な気根を数本切る場合。
この場合は影響はほぼありません。気根は地中根ほど水分吸収のメインエンジンではないため、切っても植物体が枯れるような致命傷にはなりにくいです。
パターンB:すべての気根を根元から切る場合。
この場合は将来的な地中根の候補をゼロにしてしまうので、将来的に植物体が大きくなれず、葉が成長しなくなって、バランスを崩しやすくなります。植物体を支える機能も落ちるのでグラつきやすくなり、おすすめしません。
地中根を切ると…?
パターンC:黒く変色してスカスカになった根(傷んだ根)を切る場合。
この場合は黒い根は根腐れした不要でかえって残しておくと良くない部分ですから、健康な白い根だけを残して全て切り落とすことで、株を救うことができます。
植え替えのときに黒い明らかに駄目な根があったら迷わず切り落としましょう。
パターンD:全体の2〜3割を整理する(鉢のサイズを維持したい時など)
この場合は一時的な停滞後、活性化します。
大きくなりすぎた株を同じ鉢に植え戻す際などに行います。
切った直後は水を吸う力が落ちるため一時的に成長が止まりますが、やがて切断面の近くから新しい細い根が枝分かれして生え、結果的に根の若返りに繋がります。
パターンE:全体の半分以上をバッサリ切る
この場合は深刻な水切れ症状(葉のしおれ、黄化)が起きます。
地上部の大きな葉から蒸散して失われる水分量に対して、根から吸い上げる水分量が全く追いつかなくなります。
株は生命を維持するため、下の方の古い葉を黄色く枯らして自ら落とし、水分バランスを取ろうとします。
完全に切りすぎです。
以上をまとめると、気根ならパターンA、植え替え時に根づまりしているならパターンCとDがおすすめです。
気根を全部切る、地中根を半分以上バッサリ切るのはいいことがほぼ無いので、やめておきましょう。
植え替え時も大きな鉢に鉢上げするなら地中根をたくさん切りすぎる必要はありません。
根づまりしているなら2割くらいを目安にちょっと切るくらいで十分です。
モンステラの植え替え方法
準備するもの
- 新しい鉢(今の鉢より一回り=直径3cmほど大きいもの。同じ鉢に植えるなら根を2割切る)
- 観葉植物の土
- 鉢底石、鉢底ネット
- 清潔なハサミ(黒く傷んだ根を切る用)
植え替えの手順
- ① 株を鉢から抜く 土が乾燥しているタイミングで行うと抜きやすいです。抜けにくい場合は、鉢の側面を軽く叩いて(あるいは柔らかい鉢なら揉んで)隙間を作ります。
- ② 古い土を落とし、根を整理する 根鉢(根と土が固まった部分)を軽くもみほぐし、古い土を1/3ほど落とします。この時「黒く変色してスカスカになった傷んだ地中根」があれば、清潔なハサミで切り落としてください。白く硬い健康な根はなるべく傷つけないようにします。
- ③ 新しい鉢にセットする 新しい鉢の底にネットと鉢底石を敷き、少しだけ新しい土を入れます。その上にモンステラを置き、高さや向きのバランスを決めます。
- 気根の扱い: 長く伸びている気根があれば、この時に鉢の中にくるくると巻き入れるようにして一緒に土に埋めてしまうのがおすすめです。水分を吸収する強力な「地中根」へと変化し、その後の成長がよくなります。
- ④ 土を入れる 株の周りに新しい土を入れていきます。割り箸などで土を軽くつつきながら入れると、根の隙間にもしっかり土が入り込みます。
- ⑤ たっぷり水を与える 鉢底から濁った水が出なくなり、透明な水が流れ出てくるまで、たっぷりと水を与えて土内の微塵を洗い流します。
植え替え直後のアフターケア
直射日光を避け、風通しの良い明るい日陰(室内の窓辺など)に置きます。
根が傷む原因になるため、植え替え後1ヶ月程度は肥料を与えないでください。
置き場所はレースカーテン越しの窓辺よりも「さらに少し暗めの日陰」に置くのが最も安全です。
植え替え直後は水を吸い上げる力が落ちるので、光合成させても蒸散ばかり活発になって葉がしおれます。
特に斑入りの場合は以下で解説するように水分不足で真っ先に斑が枯れますので、注意しましょう。
レースカーテン越しの窓辺から、さらに部屋の内側へ1〜2メートルほど移動させた「直射日光が絶対に当たらず、本がギリギリ読める程度の明るい日陰」がベストです。エアコンなどの風が直接当たる場所も乾燥を早めるため避けてください。
1〜2週間ほど経って葉にしっかりとハリがあり、新しい気根などが動き出す兆候が見られたら、徐々に本来の定位置である「レースカーテン越しの明るい窓辺」へ移動させていくのが安全なステップです。
斑入りのモンステラの場合、植え替え直後はかなり気を使います。
というのも斑の部分というのは、いわば植物にとっての「お荷物」です。
光合成するわけでもないただの見た目だけの組織ですから、植物の栄養や水が不足するとまっさきにリストラ要因になります。
植え替え直後は根が弱るので、水分吸収がほぼ確実に落ちます。すると水不足→危機→リストラして少ない水と栄養で生き延びようというスイッチが入って、斑の部分が枯れます。
そうならないようにする方法としては、専用の衣装ケースなどに濡れタオルと一緒に入れる、という方法もありますが、支柱などで枠を作って上から透明ビニール袋をかぶせる方法もあります。もちろん中には濡れタオルを入れます。
濡れタオルの扱いは以下を参考にしましょう。
- 葉や茎に直接触れさせない:葉に細菌が移動して枯れます
- 密閉しすぎない(空気の通り道を作る):湿度が上がりすぎて空気が淀んでカビや病気になります
- 衛生管理をこまめに行う:濡れタオルを入れっぱなしにするとカビや細菌の温床になります
植え替え時期
モンステラの植え替え適期は、一般的に5月〜9月頃です。
最適な室温(回復が最も早い):20℃〜25℃です。
安全に行える最低室温:15℃以上です。
15℃を下回ると根の活動が鈍るため、植え替えのダメージから回復できず枯れ込むリスクが高まります。
エアコンの冷風が直接当たるような環境下での植え替えは、根への大きな負担となるため避けるのが無難です。
おすすめモンステラとおすすめ用土
植え替えのときにおすすめの用土をご紹介します。
結論としては「無機質中心」の用土がおすすめです。
ヤシガラとかの植物質中心だとコバエがわいたり、保水性が良すぎて根腐れの原因になったりするので、無機質中心が良いでしょう。
「花ごころ 三つ星 室内観葉植物の土 コバエも寄りにくい自然素材」は鹿沼土主体の無機質系の土なので虫がわきにくい土です。
あとはお好きなモンステラを育てましょう!
ここで豆知識としてお伝えすると、斑入りモンステラには斑が「ランダム」に入るタイプ(ホワイトタイガーなど)と、遺伝子的に斑が出やすく調整されたタイプ(タイコンステレーション)が存在します。
斑入りを手軽に楽しみたいならタイコンステレーションがおすすめです。
ただ、葉の半分が白い「ハーフムーン」や全部白い葉の「フルムーン」などの柄が見たいなら、タイコンステレーションの「まんべんなく斑が出る」タイプだとほぼ無理なので、ホワイトタイガーなどを育成したり、茎伏せを行ったりして斑の「ガチャ」で当たりを引く必要があります。
この辺の育成の不安定さがあるのでホワイトタイガーは高額になります。
まとめ
今回はモンステラの植え替えのときの根っこの扱い方について解説しました。
切る程度によって成功率が変わりますので参考にしてみてください。
