今回はモンステラの気根を切ってしまったというときにどうするのがいいのかという解説です。
気根が切れても慌てない
気根が切れても地中に根があって、葉っぱがちゃんと生えていれば大きな問題はありません。
気根の役割は以下のようになっています。
- 付着根:支柱などに絡まって植物を支える役割
- 支柱根:地面に到達して下から植物体を支える役割
- 吸収根:水分や養分を吸収する役割。空気中の高い湿度から水分を吸収
詳細は以下にまとめています。

付着根と支柱根と吸収根共通で普通の株の場合切れても大きな問題は無いです。
普通の株の場合、地中根があって、茎と葉があって、ついでに気根がありますよね。
その場合は特に問題ありません。水は地中根が吸い上げますし、葉っぱが光合成するからです。気根もそのうち生えてきます。
気根が吸い上げる水分量は多くないので、地中根が水を吸い上げていれば問題はありません。
付着根も支柱根もすぐに無いと枯れるような根ではありません。
ただし普通は無いですが、地中根がほとんどない状況、例えば剪定して節と節の間で切り分けたミドルカットやトップカットの茎とか節の気根を根本からバッサリ切ると若干困難な状況も存在します。
どういうことかというと、ミドルカットやトップカットというのは地中根とは完全に分離して気根と節(と葉っぱ)のみの状態になりますよね。
気根が付いていると、水挿しとか茎伏せが非常にスムーズにいきます。
気根から水中根が生えてきてすぐに水分吸収を開始するとか気根が地中に潜っていって地中根に変化して水分を吸い上げるとかそういう機能があるので、自律的に水分を吸えるようになると茎伏せとか水挿しで株が枯れずに成長できるのです。
これが気根ゼロの状態だとまた新たに根をどうにか出すところからスタートしないといけないので、失敗する確率が多少上がります。
まあ何にせよほとんどの場合気根が切れてもリカバリーは可能なのでまずは慌てずに現状を確認していきましょう。
気根のどこを切ったかで対応が若干変わる
気根はどの位置で切ったかでその後の新しい気根の成長のしかたが変わるのでそこだけ若干気をつける必要があります。
気根をどの位置で切るとその後どうなるのかというのは以下の記事でまとめてあります。

簡単にまとめると以下のようになります。
- 気根の根本から切るとそこから新しい気根は生えにくい
- 根本から3cm 〜 5cm 以上残して切ると新しい気根が分岐して出やすい
というわけで、切った位置が気根の根本から3~5cm以上の位置だったら放置しておくとそこからまた新しい気根が分岐して伸びてきます。
また気根の根本からバッサリ切るとそこから新たな気根は生えてきにくいです。
とは言え、バッサリ根本から切っても新しい気根は生えてきます。
つまり切り口からは生えてこないけど、その周りのどこかからは新しい気根が生えてくる可能性があります。
通常の成長時、モンステラは節ごとに1本(株の勢いによっては2本)の気根を伸ばし、他の根の芽は休眠させています。
しかし、茎を切断されたり気根を失ったりすると、生存のために休眠していた別の根原基(節にある根の種みたいなもの。一つの節に複数存在します)が一斉に刺激されて起動します。そのため、同じ節から2本目、3本目の新しい根が顔を出します。
なので気根が無くなっても別の気根が出てくる可能性が高いので、なくなったら終わりみたいにはなりません。
なんにせよ、切れたあとの気根をどうしたいのかというのが重要です。
- 気根を伸ばして支柱根とか付着根にしたいなら伸ばして誘引しましょう
- 見た目が悪かったから切ったならそのままでOKです
支柱根とか付着根があるとモンステラは草体が物理的に安定するので成長が促進されて元気になります。
なので元気に育てないなら気根をうまく使ったほうがいいでしょう。
ただし複数ある見た目の悪い気根を切ったなら一本切ったくらいでは枯れないので見た目が整えられていいと思います。
もし気根を切るなら
今回の話は気根を切ってしまったあとの解説なので、切る前の話はあまり関係ないかもしれませんが、これから気根を切ろうと思うという方もいると思うので気根の切り方を解説します。
- 消毒された清潔なハサミを使う
- 切り口に癒合剤を塗る
- 切り口は斜めではなく真っ直ぐ
- 樹液に触らない
切るときは黒ずんだブヨブヨの部分が気根にあれば腐っている可能性が高いので一緒に切り落とします。
切り口からの病原菌の侵入を防ぐためにトップジンMペーストという癒合剤を塗っておくと安心です。
樹液ですが、モンステラを切ったときに出てくる樹液にはシュウ酸カルシウムという成分が含まれており、皮膚につくと痒みや炎症を起こすことがあります。
手袋を着用するか、付着した場合はすぐに流水で洗い流してください。
気根を切ったあとのお世話は以下の記事で解説しています。

簡単にまとめると以下の環境を維持すると気根のリカバリーに適した環境になります。
- 温度:20℃〜28℃(理想は23〜25℃以上)
- 湿度:60%〜80%(高湿度をキープ)
- 光環境:明るい間接光(直射日光はNG)
- 風通し:微風(空気が滞留しない程度)
光環境の詳細な照度などは上の記事をご覧ください。
トップカット・ミドルカットの場合に気根を切ってしまったら
水挿しや茎伏せで気根があったほうがいいとお話しましたが、何かの手違いで気根を切ってしまったときはどうすればいいのかという話をします。
トップカットで気根を切ってしまったら
- 切り口の完全乾燥(癒合剤も活用)
- 湿度管理(高湿度キープ&葉の蒸散量を減らす)
気根の切り口はむき出しの組織なので腐りやすいです。
腐ると株まで一緒に腐って終わるので、切り口を乾燥させてコルク化させるか、トップジンMペーストなどの癒合剤で物理的に蓋をします。
- 乾燥だけで済ます場合:風通しの良い日陰で半日〜1日しっかり乾燥
- トップジンMペーストを塗る場合:カット後切り口をティッシュなどで抑えて水分を落ち着けてから「10分〜30分程度」で塗る
トップジンMペーストを塗る場合、塗ってから半日〜1日乾かしてから手に薬剤が付かないようになってから水挿しや水苔などの管理に移行します。
また湿度管理や蒸散量管理も重要です。
気根が無いので、水を吸い上げる力がありません。
なので高湿度(70〜80%以上)で維持しないと茎の水分をすぐ使い果たして終わってしまいます。
また葉があると勝手に蒸散だけは続くので、葉が何枚もついているとすぐに同様に茎の水分を使い果たして終わります。
葉が複数ある場合は古い下葉を1枚落として葉の面積を減らします。蒸散量を物理的に減らすわけです。
葉をカットしたくない場合は、透明なビニール袋をふんわり被せるなどして密封管理します。
水挿し管理の場合、茎全体を深く浸けず、節(気根のあった位置)の底面だけが1〜2cm水に触れる程度にします。メネデール等の発根促進剤を規定量薄めて入れ、腐敗防止のため2〜3日おきに水換えします。
ミドルカットで気根を切ってしまったら
まずトップカット同様に切り口を乾燥させるかトップジンMペーストで殺菌保護してください。放置すると腐って終わります。
その後は湿らせて固く絞った水苔の上に、節(芽点と気根跡がある側)を埋め込まずに乗せる(浅置き)ようにします。
浅置きが重要で、茎全体が水苔に埋まるような置き方だと茎が酸欠になって腐って終わります。
気根付きに比べて新しい根が節を突き破って出てくるまでに2〜4週間前後かかります。茎が硬く締まっていれば問題ありません。焦らないのが重要です。
茎伏せの詳細は以下の記事でも扱っているのでそちらもご覧ください。温度や湿度や光の環境条件など解説しています。

まとめ
今回はモンステラの気根を切ってしまったというときにどうするのがいいのかという解説でした。
気根を切ってしまってもリカバリーはできますし、そもそも切っても問題ない場合がほとんどなので、焦らず適切に対処しましょう。

