今回はコーヒーの木の葉が冬に落ちるという話題の解説です。
基本的に寒さ・根腐れ・乾燥・日照不足のどれか
観葉植物全般の冬の落葉に関しては以下で解説しました。

以下の4つがだいたいの原因です。
- 寒さ
- 根腐れ
- 乾燥
- 日照不足
寒さ
この中で特に重要なのが「寒さ」です。
室温9℃くらいで落葉が始まります。他の観葉植物は5℃くらいでも元気に維持できることが多いのですが、コーヒーの木は観葉植物の中でも低温に対して最弱の部類に入ります。
最悪でも10℃程度の室温は常に欲しいですね。
コーヒーの木は観葉植物の中でも特に寒さに弱い植物で、5℃で大丈夫という情報もありますが、我が家では9℃くらいで木は元気だけど下葉から徐々に枯れていきます。
我が家では以前縁側にコーヒーの木を放置して最低室温5℃くらいの環境に置いておいたのですが、見事に落葉しました。幸いかすかに残った葉をその年の春から夏にかけて日光浴させて回復しました。
その翌年の冬、今度は最低室温9℃程度の室内に取り込んだところ、明らかに葉の落ち具合が改善しました。
最低室温が上がることでそれでも寒いので下葉は多少枯れていますが、成長点からは冬でも新葉が出て成長し続けています。落葉度合いも軽減されました。
夜の寒さ対策が冬のコーヒーの木の育成では非常に重要です。
室内の窓辺からとにかく離しましょう。
冬の観葉植物の寒さ対策としてヒーターやヒートマットもあったほうがいいです。
ヒートマットの有効性については以下の記事で解説しているのでよろしければご覧ください。

我が家で使っているのはBRIMのヒートマットです。そこそこ出力があってちゃんと温まりますし、サーモスタット付きで設定温度になったら自動でオフになるので便利です。
追記:寒さで葉が落ちるメカニズムを植物生理学的に解説
植物には栄養転流(もしくは再転流)という性質があります。
これは植物体全体で栄養の不足が起きると、古い葉っぱや日の当たっていない葉っぱなどを分解して栄養素を抽出して、新しい葉や根などに送り込んで「重要なところだけでも栄養不足にならないようにする」という状態を作ることを言います。
冬に寒いと根の働きが弱くなります。つまり根っこから植物体に入ってくる栄養素の量が減ります。
さらに温度が高くないので光合成の速度も落ちます。
すると光合成生産物と他の無機栄養素が植物体全体で減ります。
すると植物は古い葉や下の方の葉、込み入った場所にあって日光が当たっていない葉は「リストラ要因」になります。
光合成の効率が悪いような葉は維持するだけでかなりの栄養を必要とするのでリストラしちゃうんです。
するとリストラ要因の葉にある栄養素は分解されて新しい葉や光がよく当たっている葉に「転流」します。
最終的にリストラされた葉は黄色く変色して枯れ落ちるということになります。
氷点下くらいの環境だとこういうメカニズムではなく細胞の死というレベルで枯れてしまうんですけど、コーヒーの木が下葉から徐々に枯れていくのはおそらく栄養転流で栄養の再分配を行っている状態です。
上の方や成長点の葉が元気ならおそらくコーヒーの木自体は元気なので、あまり心配ないでしょう。
もし下の葉が黄化するのを完全に防ぎたいなら、光合成と根の働きを春から秋並にしないといけないので、やっぱり温度を上げて曇りと雨の日の植物育成ライトも活用しつつよく日に当てるような管理をしないといけないと思います。
この栄養転流自体もやりすぎると今度は光合成する葉が減り過ぎちゃうので、ある程度の黄化で止めないといけません。
なのでやはり冬全体を通してなるべく温かい環境、最低でも10℃以上くらいの環境に置いてあげるのが重要です。
また光合成しない、根が動かないだとやっぱり葉は黄化するので、日光浴などをちゃんと行って光合成と根の活動を完全停止させないお世話が求められます。
まあ肥料をじゃんじゃんあげると根がダメージを負って致命傷になるので、冬の肥料はいらないですが。
水やりだけして春まで繋ぐのが最重要です。
水やりもやりすぎると根腐れするので以下の項目の根腐れの部分も読んでみてください。
また葉先が茶色く変色するのはカルシウム不足の可能性があるのですが、これも似たような話です。
根の活動が鈍る→栄養が吸えない、入ってこない→カルシウム入ってこない→葉先の枯れ。
結局ある程度根が活動しないとなかなかこの症状を止められないのでやはりある程度の温かさが必要です。
カルシウムの補給にリキダスを使って春まで繋ぐという手もあります。
ただし根本的な解決方法は根を温めることなのでやはり低温を何とかしましょう。
根腐れ
冬は成長を止めるので、水をあまり吸わなくなります。
このときに毎日とかの高頻度でちょっとずつ水やりしたりすると、常に根が湿気にさらされて根腐れします。根腐れすると落葉します。
土が乾いてから3日後くらいが適切です。
乾燥
湿度50%〜60%くらいが適切です。カラテアなんかだと70%は欲しいですが、コーヒーの木なら60%くらいを目指すといいんじゃないでしょうか。
葉水すると光合成が午後弱くなる「昼寝減少」を回避しやすいという文献もあるので、午前10時と正午くらいに葉水してあげるといいかもしれません。それについて書いた以下の記事もご覧ください。

またエアコンの温かい風とかを直で当てるとあれは乾燥した空気の塊なので弱ります。エアコンの風が直接当たる場所からは離してください。
湿度が60%程度というのは人間が快適に暮らせる湿度の上限くらいの値です。
だいたい40%〜60%が人間が快適に暮らせる湿度と言われています。(参考:Panasonic, 部屋の湿度は40〜60%が目安。快適さを保つ湿度管理のポイント)
まあ60%よりちょい下くらいの湿度を目指すと植物と人間の双方がちょうどよく快適に過ごせるのではないでしょうか。
上のSwitchBotの気化式加湿器は蒸気の生成にお湯を沸かす動作を行わず、送風だけで加湿するため消費電力は15Wと超省エネです。お湯を沸かすタイプはどうしても電気代がかかるのですが、これはそういうところがないので使いやすいと思います。
SwitchBot製品は温湿度計と組み合わせると便利です。指定した湿度で自動コントロールできます。
日照不足
冬は寒波が来るたびに窓辺が極寒になり、日光も不足します。
太平洋側なら曇りや雨、雪の日はリビングにでも置いておいて晴れの日に日光浴させるような管理でもいいですけど、日本海側などの冬に日照時間が足りなくなりがちな地域は植物育成ライトを使ったほうがいいでしょう。
鉢が4つくらいあるなら以下の22W程度の出力のものがいいでしょう。
広角レンズ付きでより広い範囲を明るく照らします。
鉢が2つくらいなら10W程度のものでいいです。消費電力が低いのでお財布に優しいです。
UNDERDOG NURSERY DOBERについては以下の記事で明るさの実験を行っているので参考にしてみてください。

またアームは以下のものがそこそこ曲がっていいかもしれません。この手のアームはあんまり曲がらないことが多くて、思ったような場所を照らせない場合が結構あるので、とりあえず及第点くらいの曲がり具合があるHaruDesign製のものがいいように思います。
100Wまでの電球に使えるので植物育成LEDライトならほぼすべてのライトが使えるでしょう。
再掲になりますが、観葉植物の光合成速度が最大になるのは午前7時から午前10時くらいです。以下の記事で解説しています。

朝は結構早い時間から光合成速度が上がるので、早朝にまだ窓から光が入ってこないならちょっと植物LEDライトを照射してあげて、日光が窓から入ってくるようになってきたらそっちに移す。午前10時と正午くらいに葉水するといいでしょう。
コーヒーの木特有の冬の難しさ
落葉はコーヒーの木が弱っているサインなんですけど、コーヒーの木特有の落葉しやすい条件みたいなものはないのでしょうか?
上で解説したのは一般的な観葉植物向けの冬対策なので、コーヒーの木特有の困難さがあるなら知っておいたほうがいいでしょう。
ただ色々調べてみましたけど、コーヒーの木の冬の栽培で気をつけることって、基本的に室温最優先で、あとは湿度を適切に保つくらいしか特徴って無いんですよね。あとは普通の観葉植物の冬の管理の基本を守ればOKです。
直射日光NGっていうのがあるにはあるんですけど、我が家は普通に窓辺から差し込む日光にガンガン当てても枯れませんし。冬の話ですよ。夏は光が強すぎるのでレースのカーテン越しくらいがちょうどいいです。でも冬って太陽の力が弱いのでそれほど心配いらないという感覚があります。
あとは肥料は根が動いていないので与えると肥料焼けして落葉、下手すると枯れるので肥料は切りましょう。
あと温かいリビングからいきなり日光に当てるために日の当たる寒い縁側とかに移すとショック症状でやはり落葉するので温度変化も最小限になるように移動させるときは色々工夫しましょう。朝方寒い縁側が暖まるまで植物育成ライトで朝方は温かいリビングに置いておくとかしたほうがいいでしょうね、ということです。
まとめ:冬のコーヒーの木は室温と湿度に特に注意する
今回はコーヒーの木が冬に落葉するという症状から、コーヒーの木を冬に適切に管理する方法について話を広げました。
特に室温を10℃以上にする、湿度を60%くらいで維持するこの2つを両立できるように色々工夫するのが重要です。
