今回はコーヒーの木の育て方で土についてどう考えるとよいのかという解説です。
コーヒーの木の土は何がおすすめなのか
観葉植物用の土はいろいろな種類があり、コーヒーの木には何がいいのだろうかと悩むかもしれません。
コーヒーの木に適した土というのは「水がたくさん吸えて、でもジメジメしすぎない」土です。
コーヒーの木はもともと熱帯の高地(エチオピアなど)で雨期と乾季のある環境に自生しています。
そこでは斜面にコーヒーの木が生えており、雨期でも斜面なので水はたくさん土に染み込みますが、斜面なので土にいつまでもジメジメ保たれず流れ去っていきます。
つまり水は結構あるけど、すぐ通り過ぎていくからジメジメしない環境に生きています。
また斜面を水が通り抜ける過程で新鮮な空気も一緒に引き込まれるので、根に新鮮な空気が供給され十分呼吸できます。
ジメジメした土だと新鮮な空気が入ってこないので根が呼吸できず窒息、つまり根腐れして根が終わります。
このような特徴からコーヒーの木に適した土は「水がたくさん吸えて、でもジメジメしすぎない」土となります。
じゃあどんな土がいいのか
以下のような土がおすすめです。
- 程よい団粒構造がある粒感の強い土
- 適度な保水性がある土
- 弱酸性の土
水はけが重要なのでドロドロで目が細かい土だと粘土のようになってジメジメになります。
程よい団粒構造で水はけを確保するのが重要です。
また水が素通りするだけの土では水が吸えないので、土に適度に保水性が求められます。
また種の特徴として弱酸性の土を好むので、そのpHになる土がおすすめです。
おすすめの土
ここでは簡単に入手できるおすすめの土をご紹介します。
プロトリーフ 観葉植物の土
プロトリーフ観葉植物の土は軽石やバーク堆肥主体の土です。
バーク堆肥は樹木の皮を粉砕して発酵させた堆肥です。
粉砕した繊維が絡み合っているので適度な隙間があります。
これが「水はけのよさ」を担保します。
またそうは言っても繊維は水を含む性質があるのである程度保水性があります。
また腐葉土などは分解が速くすぐ分解されて細かい粒子に戻ってしまって団粒構造が維持できないのですが、バーク堆肥は木の皮なので分解が遅く、長期間水はけと保水性を維持できます。
この性質がコーヒーの木に適しているのです。
逆に土(黒土や赤玉土)を畑の家庭菜園のように混ぜると以下のようなデメリットが生じます。
- 粒子が細かすぎて水を含んで粘土のようになりやすい(水はけが悪くなる)
- 粒子が細かいのでものすごく目の細かいスポンジのようになってしまい、保水性が高すぎて根腐れしやすい
- 粘土のようになると空気の通り道をふさいでしまって根腐れの原因になる
以上のような理由から畑用の培養土とは違い、観葉植物用の土というのはこうした土以外の植物繊維(バーク堆肥・ココピート・ピートモスなど)主体で構成された土がトレンドとなっています。
また植物繊維主体にするメリットは他にも以下のようなものがあります。
- 軽い(土よりは軽いので吊るしたり大型鉢にしても移動が楽)
- 畑の土由来の雑菌や虫の卵が混入しにくい
- 土がはいっていないので燃えるゴミとして出しやすい(自治体のルールを確認してください)
ただバーク堆肥と一口に言っても100均とかの畑に土壌改良目的で入れるバーク堆肥と観葉植物用の土のバーク堆肥は中身が別物なので、観葉植物にそのまま使える「観葉植物の土として使えるバーク堆肥」を選びましょう。
なおpHは弱酸性です。pHもコーヒーの木の基準をクリアしています。
「プロトリーフ観葉植物の土」はコーヒーの木に適したおすすめの土です。
プロトリーフ 室内向け観葉・多肉の土
プロトリーフ 室内向け観葉・多肉の土は鹿沼土、パーライト、赤玉土主体の土になります。
先程「最近のトレンドは植物質の土」とお話しましたが、この「プロトリーフ 室内向け観葉・多肉の土」は全く異なるアプローチで「水はけの良さ」と「保水性」を担保しています。
この土は「パーライト」の「水はけの良さ」を「鹿沼土」と「赤玉土」で補うというアプローチで開発されています。
通常パーライトは真珠岩を高温で焼いた「発泡ガラス」のようなもので排水性と通気性は非常に優れています。
しかし「保水性」と「肥料の保持力」がほぼ無いです。
水耕栽培のように常に溶液が土に供給されるような環境では優れるのでパーライトだけで水耕栽培するのは鉄板の方法ですが、観葉植物用の土として使うと、水やりしても水がすぐ素通りしてしまい、粒子の表面もツルツルで肥料を掴んでおくこともできません。
でも水はけのよさは利用したいわけです。
そこで「鹿沼土」や「赤玉土」などの粘土鉱物を混ぜて肥料持ちと保水性を担保させます。
粘土鉱物には電気的に肥料成分を保持する性質があり、水も保持します。先程「黒土とかを混ぜるとドロドロになる」というのを逆手に取って、あえてその性質をプラスすることでパーライトの弱点を補っています。
これによって「水はけの良さ」「保水性の良さ」「肥料を保つ」性質が担保できます。
またパーライトは軽すぎて植物体を保持するのが苦手です。鹿沼土と赤玉土という重い土を混ぜることで植物体がグラグラするのを防いでいます。
さらに鹿沼土は乾いているときは白っぽく、濡れると黄色~褐色に鮮やかに変化します。
赤玉土は濡れると色が濃くなります。
つまりこれら二種の土を混ぜると土の乾きが把握しやすいのです。
コーヒーの木の水やりタイミングについては以下の記事で季節ごとの注意点を解説しています。

冬は土の表面が乾いてから2〜3日待って鉢底から流れるくらいに与える、春と夏と秋は土の表面が乾いたら鉢底から案がれるくらい与えるのが基本です。
タイミングの基準が土の表面の乾きなので、これを把握しやすいのがこの土の特徴となり、コーヒーの木向きだと言えます。
pHも鹿沼土と赤玉土が弱酸性の性質を持っているのでクリアしています。
花ごころ「観葉植物の土」
花ごころ「観葉植物の土」はココナッツファイバー、パーライト、鹿沼土、赤玉土をバランス良く混ぜた土です。
要するに上でご紹介したプロトリーフの観葉植物用の土の二種類の性質を混ぜちゃったような土です。
ココナッツファイバー(植物質)で水はけの良さと保水性を担保し、そこにパーライトのメリットと鹿沼土と赤玉土のメリットも足したような感じ。
ただまあじゃあ全部足し算すれば最強かというと、理屈ではココナッツファイバーだけでも行けそうですし、パーライトと鹿沼土、赤玉土の配合にわざわざココナッツファイバーを混ぜる意味もそれほど大きくないようにも思います。多少土の寿命が伸びるかな、くらい。
でも悪い要素は無いので、十分コーヒーの木に使える土です。pHも弱酸性です。
というかどちらかといえば植物質主体のフカフカした土なので、鹿沼土と赤玉土はおまけみたいな感じですね。
オリジナルブレンド
簡単に作れるコーヒーの木用の配合は以下となります。
- 赤玉土:6
- 腐葉土:3
- パーライト1
赤玉土と腐葉土の保水性と保肥料性を担保した上で、パーライトで水はけを担保するみたいな感じです。
虫のわきにくさ
確かにバーク堆肥主体の土は畑の土は入っていないので多少虫がわきにくいのですが、結局有機質なので分解・発酵は発生し、その過程で虫がわく(コバエなどの虫は発酵していく有機質をエサに増殖します)というのはあり得ます。
しかし鹿沼土とか赤玉土とかパーライトには有機質が無いので発酵が起きにくく、結果虫の卵のエサが無いので虫が圧倒的にわきにくいのです。
つまり虫のわきやすさで言うと「通常の畑用培養土>植物質主体の観葉植物用の土>鹿沼土・赤玉土・パーライト」となっており、虫がとにかく苦手という場合は「鹿沼土・赤玉土・パーライト」主体の観葉植物用の土を選ぶと良いでしょう。
これは上でご紹介した土ですね。
その他にも「花ごころ」から同様の無機質主体の土も売っています。
「花ごころ 三つ星 室内観葉植物の土 コバエも寄りにくい自然素材」は鹿沼土主体の無機質系の土なので虫がわきにくい土です。
pHも弱酸性でコーヒーの木もバッチリ育成できます。
追肥のタイミング
無機質系の土は肥料要素が無いのですが、上でご紹介したものは化成肥料が配合されているので、別途肥料を元肥として与える必要はありません。
肥料が減ってきたな〜というタイミングで液肥や化成肥料を規定量与えます。
土を使って植え替えてから2ヶ月後くらいで元肥が切れるし、根が植え替えから回復して肥料を吸えるようになるので、そのくらいのタイミングで追肥をスタートします。
- 春(5月〜6月):固形肥料→1〜2ヶ月に一回土の上に置く。液肥→2周間に一回規定量与える
- 夏(7月〜9月):固形肥料→1〜2ヶ月に一回土の上に置く。液肥→1周間に一回規定量与える
- 秋(10月):固形肥料→中止(根が動かなくなるので)。液肥→2周間に一回規定量より薄めて与える
- 冬(11月〜4月):休眠状態になるので追肥は止める。冬を乗り切る管理に移行する
冬越しがコーヒーの木の鬼門なので以下の記事などで冬対策を確認してください。


なお有機質肥料を与えてしまうと虫のエサになって虫がわくので、虫をわかせたくないなら「化成肥料」を選んでください。
液肥は基本的に化成肥料です。
IB化成などは緩効性の固形化成肥料で肥料がじっくり長期間持続するので、与えすぎのリスクが少なくて使いやすいです。「花ごころ グリーンそだちEX」などがおすすめです。
液肥ならハイポネックス原液が有名ですね。
まとめ
今回はコーヒーの木の育て方で土についてどう考えるとよいのかという解説でした。
基本的に観葉植物用の土を選ぶのがいいでしょう。
虫が気になるなら無機質主体の土を選んで化成肥料で管理してください。
