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パルダリウムの冬、風呂の残り湯で保温する装置を作った

今回は前回ご紹介したパルダリウム用アクリルペアガラス方式自作ケースの冬の保温に関しての話になります。

なお以下の注意点がありますのでご了承ください。

【ヒートマットを使用される場合について】

本パルダリウムケースは側面を二重アクリル構造で製作しているため、単板ケースと比べて高い断熱性能を備えています。

そのため、保温ケース(スタイロフォーム箱)を使わずに、市販のヒートマット単体で運用していただくだけでも十分に放熱ロスを抑え、保温電力(電気代)を節約することができます。日常的にヒートマットで自動管理したい場合は、この「ケース単体+ヒートマット」での運用をおすすめいたします。

※安全上の理由から、スタイロフォーム保温ケースの内部や底面スリット部にヒートマットを組み込む「ハイブリッド運用」は、熱蓄積による素材変形・過熱リスクがあるため非推奨(メーカー想定外)としております。保温ケースは、あくまでお湯を入れたペットボトル等による「無電源保温専用」としてご活用ください。

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目次

今回作ったもの

まず今回の制作物をご紹介します。

試作段階なのと断熱材に発泡スチロールを使った関係で切り口に粗さが目立つのですが、機能は果たします。

下の発泡スチロール板で作った箱の中に風呂の残り湯をペットボトルに詰めたものを入れて上昇する暖気をパルダリウムケース内部に送ることで保温するという仕組みです。

この保温ケースのメリット

以下のようなメリットがあります。

  • ゴチャつくサーモスタットの配線がいらなくなる
  • 光熱費の低減
  • 停電リスクを超低減
  • 火災リスクを超低減
  • ヒーターによる局所加熱で植物が傷むリスクを低減

まずサーモスタットの配線がいらないので、電源コードのごちゃつきがなくなります。

照明の電源コードは必要なのでゼロにはなりませんが、コードのタコ足は減ります。

またそもそも風呂の残り湯は夜間放置されて翌朝冷めて捨てちゃうものなので、それを利用することで夜間のパルダリウム植物の保温にかかる光熱費がかなり抑えられます。

ペットボトルに詰めた残り湯を使う関係上、停電や火災のリスクが大幅に低減されます。

またヒートマットや電球型ヒーターの場合、局所加熱になりがちで、温かすぎる場所で根が傷んだり葉が傷んだりしますが、この方式なら下部から上昇してきた暖気でマイルドに加熱するので局所加熱による植物の傷みを低減できます。

構造詳細

まずパルダリウムケースを外すと以下のような構造が見えてきます。

3Dプリンターで作ったスリット板ですね。

このスリットから温かい暖気がパルダリウムケース内に流入します。

次がこのスリット板を外した様子。

保温ケースの天板には穴が空いており、暖気の移動経路になっています。

さらに保温ケースの天板を外すと以下のようになっています。

500mLの温かい飲み物用の寸胴タイプのペットボトルを通販の緩衝材で包んだものが入っています。

ペットボトルの隙間と上部のキャップ部分はプチプチを丸めて詰めています。

これによって気密性がある程度担保され、熱の保ち時間が伸びます。

プチプチを外すと以下のような感じになります。

ペットボトルはまとめて包めば保温ケース内部により多くの本数入るようになります。

今回はペットボトルを使用しましたが40℃から50℃程度に耐えられる調理用タッパーに残り湯を詰めてそれを緩衝材で包むとかでも機能します。

さすがにペットボトルむき出し状態を保温ケースに入れるとすぐ冷えてしまいますが、保温ケース内部でさらに熱源を保温することで長時間高温が維持されます。

理論的にもつのか

一応計算上これが夜間適温で保ちますよというのを計算してみます。

ニュートンの冷却法則より以下の式が成立します。

\(\Delta T(t) = \Delta T_0 \times e^{-k \cdot t}\)

減衰定数 k はおおよそ以下のようになります。

\(k \approx 0.115\text{ h}^{-1}\)

熱貫流率は以下のようになります。

U=

2.8 W/(m2⋅K)2.8\text{ W}/(\text{m}^2\cdot\text{K})

10時間後(夜9時〜朝7時)のボトル温度差:

\(\Delta T(10) = (40 – 13) \times e^{-1.15} \approx 27 \times 0.3166 \approx 8.55^\circ\text{C}\)

朝7時のボトル水温:

13.0+8.55≈𝟐𝟏.𝟔∘C13.0 + 8.55 \approx \mathbf{21.6^\circ\text{C}}

ここから外気温13℃の場合の温度推移は以下となります。

時間経過時間ペットボトル水温ケース内部温度(むき出し)
21:00(開始)0時間\(40.0^\circ\text{C}\)約 22.0 〜 23.0 ℃
00:00(深夜)3時間\(32.1^\circ\text{C}\)約 19.5 〜 20.0 ℃
03:00(未明)6時間\(26.6^\circ\text{C}\)約 17.5 〜 18.0 ℃
07:00(朝)10時間\(21.6^\circ\text{C}\)約 15.5 〜 16.0 ℃

厳し目の条件にして外気温8℃とすると以下となります。

時間経過時間ペットボトル水温ケース内部温度(むき出し)
21:00(開始)0時間\(40.0^\circ\text{C}\)約 19.0 〜 20.0 ℃
00:00(深夜)3時間\(30.6^\circ\text{C}\)約 15.5 〜 16.0 ℃
03:00(未明)6時間\(24.1^\circ\text{C}\)約 13.5 〜 14.0 ℃
07:00(朝)10時間\(18.1^\circ\text{C}\)約 11.5 〜 12.0 ℃

例えばジュエルオーキッドの限界温度は15℃以上ですから、13℃の部屋ならギリギリ、8℃に冷え込むならさらなる保温が必要ですね。

ただやり方は簡単で、アクリル二重ケースの周りを断熱材(3cm厚みのスタイロフォームや発泡スチロール)で囲えばいいです。その場合8℃の外気温でも10時間で16℃くらいのケース内温度になります。

今後の予定

そろそろ寒くなってくるので、実際に寒い夜に何時間何℃を維持できるか実験する予定です。

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